真央ちゃんミス連発……日本 最下位に

[ 2009年10月4日 06:00 ]

最初のジャンプで転倒する浅田真央

 五輪シーズンは苦難の船出だ。10年バンクーバー五輪で金メダルを狙う浅田真央(19=中京大)が今季初戦に臨み、ラフマニノフの前奏曲「鐘」を使用したフリーのプログラムを初披露したが、冒頭のトリプルアクセルで転倒するなどジャンプでミスを連発した。シニアの大会では自己ワースト2番目の102・94点でまさかの3位。日本、北米、欧州によるチーム対抗戦でも、日本は合計434・17点で最下位の3位に終わった。

 控えめな笑みと首をかしげるしぐさが、すべてを物語っていた。重要な五輪シーズンの初戦で、初めて披露した今季のフリー。1万2752人の観衆も、心の底からの拍手を送るわけにはいかない。102・94点は、シニアの大会では自己ワースト2位の低スコア。バンクーバー・ロードのスタートで、真央がいきなりつまずいた。

 「初戦だったので“どうなのかな”って気持ちが強かった。練習してきたことのすべてを出すことはできなかった」

 黒と青の衣装に身を包んで舞った4分10秒。ラフマニノフの前奏曲「鐘」の重厚なメロディーに漂ったのは、悲壮感だけだった。冒頭のトリプルアクセルで転倒すると、続いて挑んだ大技も1回転半に。その後もミスを重ねスピン、ステップでも取りこぼした。ライバル・キム・ヨナの母国・韓国のテレビ局SBSも取材に訪れる中、五輪本番でメダルを争うロシェットにも23・45点差をつけられる完敗。9月26日に来日して指導してきたタラソワ・コーチも「初戦から頑張らなきゃダメ」と厳しいジャッジだ。

 真央自らが「物語はない」と語るフリーのプログラム。表現力が問われる5項目の演技点はもちろん重要だが、物語がないだけにジャンプなどの技術点がカギを握るのは明白だ。トリプルアクセルを2度、組み込んだジャンプの構成は昨季とほぼ同じ。「最初から最後までパーフェクトにやった後に凄くいいプログラムになる」と真央が言うだけに、ジャンプのミスは許されない。

 15日開幕のGPシリーズ初戦・フランス杯(パリ)では、キム・ヨナといきなり激突する。「次の試合で今回、できなかったことをできるように頑張りたい」。昨季も初戦で2位に終わるなど例年スロースターターとはいえ、ライバルに完敗すれば五輪本番のジャッジに影響を与えるのは必至。黄金の夢を追う真央が、早くも正念場に立たされた。

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2009年10月4日のニュース