錦織8強ならず!次戦日本に“凱旋”だ

[ 2008年9月3日 06:00 ]

デルポトロに敗れ、8強入りはならなかった錦織

 全米オープンテニス第8日は1日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われ、男子シングルス4回戦で、ノーシードの錦織圭(18=ソニー)は第17シードのフアンマルティン・デルポトロ(19=アルゼンチン)に3―6、4―6、3―6のストレート負けを喫した。前身の全米選手権を含め、1922年の清水善造以来86年ぶりの日本男子ベスト8進出はならなかったが、快進撃を見せた錦織は次戦AIGジャパン・オープン(29日~10月5日、有明)で“凱旋帰国”する。

 注目の10代対決はストレートの完敗に終わったが、錦織に次第に充実感がこみ上げてきた。最終結果は全米オープン日本人71年ぶりのベスト16。「ベスト8はすごく上でイメージできなかった。もちろん今は悔しいが、うれしさの方が大きいと思う」。笑顔とは裏腹に目は赤かった。

 ウィンブルドン選手権に続く2度目の4大大会で、世界4位のフェレール(スペイン)を破る快進撃。その快挙を手土産に「次は日本の大会に出る。特別な試合なので、いい結果が出せるといい」と話した。1年ぶりの国内大会出場となるAIGジャパン・オープンに意欲をのぞかせた。

 主催者発行の第8日のパンフレットの表紙に、ナダル、ウィリアムズ姉妹とともに取り上げられた注目の4回戦。ツアー4大会連続優勝で乗り込んできた19歳のデルポトロを相手に、得意のフォアでミスが出た。第2セットに2―5から4―5と追い上げたが、第10ゲームで40―0から5ポイント連続で落とした。

 押され気味のラリーを早く決めたい焦りで「フォア一本に頼りすぎた」と敗因を分析したが「体よりも精神的な疲れがあった」のも事実だ。まだ18歳の若さが出たが、試合を重ねる中で克服できることを考えれば、手応えは大きい大会だった。

 AIGジャパン・オープンは今週に入ってチケットの売り上げが急増。準決勝が行われる10月4日の日曜日はほぼ完売となった。地上波で放映するNHKは深夜の録画中継の予定を「変わることがあるかもしれない」(関係者)と見直す可能性も出てきた。1年前、プロデビューを果たした思い入れのある大会への凱旋。ホープが「世界の錦織」となって、有明テニスの森に帰ってくる。

 ≪テニス協会会長も絶賛≫ベスト8は逃したが、周囲の評価は高まる一方だ。日本テニス協会の盛田会長は「ここまで来たことは素晴らしいの一言。18歳で、初めての全米オープンで、これほど大勢の人たちを感動させたのだから言うことはない」と絶賛。指導するグレン・ワイナー・コーチは「体の疲れが残っていた。5セットマッチをこんなにしたこともないから無理もない。今後の課題はコンスタントなプレーをすることと、ケガのない体をつくっていくこと」と話していた。

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2008年9月3日のニュース