尾方“弾丸ツアー”でコース試走

[ 2008年7月30日 06:00 ]

北京入りし、天安門前をジョギングする尾方

 マラソン男子代表の尾方剛(35=中国電力)が29日、最後の五輪コース試走のため、1泊2日の強行日程で北京入りした。本番直前の天候や道路のコンディションをチェックするため、異例となる3度目の試走を敢行。日本男子では92年バルセロナ五輪銀の森下広一以来となるメダル獲得へ向け“弾丸ツアー”を組んで最終チェックを行った。

 日本代表選手のスケジュールを原則的にすべて把握している日本オリンピック委員会(JOC)も知らなかった、突然の北京入りだった。他のマラソン代表らと同じく、詳細なスケジュールを知らせない代わりに自己責任&負担での調整をJOCに認められた尾方は、夕方にスタート地点の天安門広場付近でランニング。きょう30日に本格的なコースチェックを行い、昼すぎには帰国の途に就く。強行日程を組んでまで8月24日のレース26日前に北京に乗り込んだ理由については「気候とコースを把握したかったので、できるだけ直前に来たかった」と説明した。

 試走は4月のプレ大会と6月上旬に続いて今回が3度目。「欧州とか遠いところなら来られないけれど、ここは近いから」と話したが、女子の野口みずきは1回、中村友梨香にいたっては一度も試走していない中、これだけ入念に準備する選手は異例。35歳で初出場の五輪だけに、レースに懸ける思いは誰よりも強い。

 30日は交通量の少ない早朝に「一番走りたい」という後半の約20キロを走る予定。レース終盤の北京大学、清華大学の構内は道幅が狭く、34キロ付近には今大会のコースで唯一の坂がある。「全体は分かっているし、イメージできているところもある。本当の勝負どころを見たい」と仕掛けるポイントを入念にチェックする方針だ。

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2008年7月30日のニュース