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【金子達仁の目】日本代表「最悪は免れた」 F組2位通過“最有力” 「勝ち点4」が進出条件に

[ 2025年12月7日 05:00 ]

26年W杯北中米大会組み合わせ抽選会 ( 2025年12月5日 )

米ワシントンで行われたサッカーW杯北中米3カ国大会の組み合わせ抽選会。日本は1次リーグF組に入り、初戦はオランダとの対戦に決まった
Photo By 共同

 改めて言うことでもないが、来年のW杯は史上初めて3カ国による共同開催で行われる。W杯北中米大会。それが、呼び名として定着していくことになるのだろう。

 ただ、FIFAにとってはあくまでもW杯米国大会であるらしい。なるほど、開催3カ国の首脳の列席はあった。だが、平和賞なるものを与えられたのは1カ国の首脳だけで、抽選のプレゼンターを務めたのは米国における四大スポーツのスーパースターだった。米国人3人、カナダ人1人、メキシコ人0人。FIFAがどこを向いているかがよくわかった。

 さて、オランダ、チュニジア、欧州からのプレーオフ組ということになった日本の組み合わせだが、最悪は免れた、というのが正直なところである。それも、はるかに免れた。F組における2位通過の有力候補、というのが第三者から見た一般的な印象だろう。

 オランダは強いがスペインやアルゼンチン、イングランドほどではない。チュニジアも簡単な相手ではないが、モロッコと当たるよりはまし。欧州を勝ち抜いてくる第4ポットの国にしても、イタリアになる可能性もあった。日本からすると、前線に圧倒的な個を擁するチーム、例えばノルウェーやエジプトと当たる方が厄介だった。

 だが、決勝トーナメントに進出する道は、他の組より少々険しくなった。3位にも勝ち抜けの可能性がある今回のレギュレーションでは、勝ち点はもちろん、得失点差も大きな意味を持ってくる。そうなると、力の落ちる1カ国と同居した国は、一気に得点を稼いでくることが考えられる。その点、草刈り場となる国がいないF組では、得点の量産は見込みにくく、勝ち点3では苦杯を舐(な)める可能性が高い。勝ち点4が勝ち抜きの条件として求められることになるはずだ。

 悪い話ばかりではない。試合会場がモンテレイ、ダラスになったことは、日本にとっては朗報に近いのでは、という気がする。というのも、あくまで個人的な経験ではあるものの、86年W杯のモンテレイ、94年W杯のダラスはとにかく暑かったという印象があるからだ。

 特に、94年W杯では、ドイツ、スペインがダラスで韓国と戦ったのだが、どちらも、凄(すさ)まじい暑さにしてやられ、ほぼKO寸前のところまで韓国に追い詰められた。スペインが2点差を追いつかれ、3点をリードしたドイツが1点差まで詰め寄られた最大の要因は、間違いなく酷暑にあった。

 大会序盤で想定外の消耗戦を強いられた影響からか、この大会のドイツ、スペインはベスト8で姿を消した。長い目で見れば、日本にとっても厳しい状況であるのは事実。とはいえ、欧州を勝ち抜いた2カ国にとっては、ほとんど体験したことのないような暑さとなる可能性があり、2戦目、3戦目以降は層の厚さが問われる展開にもなろう。ここは、日本が大きなアドバンテージを持っている部分でもある。

 もう一つ、これはまったくの未知数ではあるのだが、U―17W杯の影響がどれほどのものなのか、という点も気になっている。日本ではあまり報じられなかったが、この大会では食事会場が一緒だったメキシコと日本の選手の間に交流が生まれ、「少年たちの美しい友情」と注目が集まった。ネットの情報を眺めている限り、メキシコにおける親日感情はかつてないほどに高まっている。

 それが、リアルな世界ではどうなのか。つまり、日本を好意的に見守ってくれる観衆の前で戦うことができるのか。もしそうなら――1位通過が見えてくる。(スポーツライター)

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