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Jリーグ新判定基準の功罪 ファウル&警告減でプレー時間は1分以上増加 VAR導入前の水準には及ばず

[ 2025年3月5日 06:00 ]

新判定基準に苦言を呈する広島・スキッベ監督
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 【蹴トピ】今季のJリーグで、新たなファウルや警告の判定基準が議論を呼んでいる。プレー強度を高めある程度の接触を容認し、実際のプレー時間を増やすことが狙いだ。その効果は上がっているのか、J1第4節までの数値で検証する。

 2日の広島―横浜FCで、負傷者発生に憤る広島のスキッベ監督は勝利の喜びよりも苦言が口を突いた。「日本のサッカーは間違った方向に進んでいる。ひどいファウルがあってもカードが出ずに流されている」。新基準に関して、海外経験のある選手らからは賛同の声もある一方、負傷者を出したクラブの選手やスタッフから不満の声も上がっている。

 リーグ開幕直前のイベントで、野々村芳和チェアマンは実際にプレーが行われる時間「アクチュアルプレーイングタイム(APT)」を長くしたい意向を表明した。欧州など海外のリーグに比べJリーグのAPTは短く、判定に関する直接的な表現ではないものの、強度の高いプレーが長く続くよう審判団とチームで協力していきたいという内容だった。

 そこでJ1の今季と昨季、そして2020年の1試合1チーム平均値を比較したい。20年はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)本格導入前最後のシーズンだ。VAR導入で試合時間は3分以上長くなったが、確認時間はアディショナルタイムに追加され、本来APTには影響しない。しかしそのVAR導入前後で、APTはじわじわと減少してきた。20年に57分40秒あったAPTは、24年には52分6秒。4シーズンで5分以上短くなった。この間、ファウル数は11・2から12・0、警告数も1・1から1・3へとわずかに増加。プレーが止まる回数が増えていた。

 その流れで新たな判定基準が導入された今季第4節までは、ファウル数が11・0、警告が1・1。昨季から微減し、ほぼ20年の水準に戻った。そしてAPTは53分24秒で、昨季から1分18秒の増加。VAR導入前の水準にはまだ届かないものの、一定の成果が上がっているといえる。

 なお昨季から今季にかけて、前後半合計のアディショナルタイムが10分44秒から9分32秒と1分以上短くなっている点にも触れておきたい。同タイムはプレー以外の時間消費で、VAR確認のほか選手交代、ゴール祝福などが含まれる。さまざまな現場の取り組みが、功を奏している部分もあるだろう。

 もちろん、不公平感の解消や故障者を減らすためにも、リーグ全体で判定基準の統一を目指すことは大前提になる。引き続き、推移を見守りたい。(データ提供・データスタジアム)

 ≪神戸・大迫も疑問「大丈夫なのかなJリーグ?」≫
 神戸の元日本代表FW大迫勇也(34)も新たな判定基準に疑問を呈する一人だ。2―2で引き分けた2月22日のアウェー名古屋戦、2得点を決めたものの、ファウルをアピールしたが笛を吹いてもらえないシーンが何回もあった。開始20秒後にネットを揺らしたゴールは取り消しに。肩で決めたゴールに見えたが、VAR判定ではハンドでノーゴールとなり大きな物議を醸した。

 大迫は試合後、「Jリーグの基準もファウルがファウルじゃないことが結構多いので、“本当に大丈夫なのかなJリーグ?”って僕自身は思ってますけど」と指摘。「ファウルはファウルなのでそこはしっかりレフェリーが線引きしてくれないと、ケガ人が増えるだけだと思います」と怒りが収まらなかった。

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