×

“魂の点取り屋”元日本代表FW岡崎慎司、現役引退「気付いたら体がボロボロ」 日本代表歴代3位50得点

[ 2024年2月27日 05:30 ]

AFCアジアカップ20151次リーグD組・イラク戦、前半23分、PKで先制ゴールを決めた本田(中央)を祝福する岡崎(右)(左は香川)
Photo By スポニチ

 元日本代表FW岡崎慎司(37)が26日、今季限りでの現役引退を所属するベルギー1部シントトロイデンを通じて発表した。努力と強い精神力で頭角を現し、日本代表では歴代3位の50得点。レスターではイングランド・プレミアリーグ優勝に貢献するなど、約20年にも及ぶプロ生活を全力で駆け抜けた。今後は指導者として岡崎2世の育成に期待がかかる。引退会見はシーズン終了後に行う予定だ。

 侍ストライカーがスパイクを脱ぐ時がやってきた。膝の故障にも悩まされ、今季ここまで公式戦出場は7試合。岡崎はシントトロイデンを通じ「全力を尽くしてきたけど、気付いたら体がボロボロで、自然と限界を感じました」と決断理由を語り、この時期での発表については「応援してくれる人に正直でいたくて」と明かした。

 決してエリートではなかった。プロ入り直後は清水でFW8人中8番手スタート。努力ではい上がり、攻守に泥くさい独自のプレースタイルを確立した。クロスに頭から飛び込む代名詞の「ダイビングヘッド」はまさに岡崎の真骨頂。日の丸を背負い09年6月のウズベキスタン戦で10年W杯出場を決めた一発はその象徴だ。

 11年1月に渡った欧州でも年を重ねるごとに進化。ドイツ1部では5季で37得点。世界最高峰プレミアリーグのレスターに加入した15~16年シーズンには、クラブ創設132年目での初優勝に貢献し、“ミラクルレスター”の一員として歴史に名を残した。

 体格に恵まれたわけでも、突出した能力があったわけでもない。それでも献身的なプレーで多くのファンを魅了し、日本代表では歴代3位の50得点。ピッチ外でも“いじられキャラ”として誰からも愛された。

 世界で戦える人材の輩出を目指し、14年にはドイツにバサラマインツ(現6部)を創設。引退後は後進の指導育成にも期待がかかる。今季は残り約3カ月。「最後は自分を応援してくれた人のためにも頑張ります」。日本サッカー史に名を刻んだストライカーの最後の雄姿は見逃せない。


 ◇岡崎 慎司(おかざき・しんじ)1986年(昭61)4月16日生まれ、兵庫県宝塚市出身の37歳。05年に滝川二高から清水入り。11年1月に移籍したドイツ1部シュツットガルト、マインツを経て15年に加入したレスターではイングランド・プレミアリーグ優勝に貢献。スペイン1、2部でもプレーし、22年にシントトロイデン入り。日本代表では10年W杯南アフリカ大会から3大会連続出場。国際Aマッチ通算119試合50得点。1メートル74、76キロ。利き足は右。

続きを表示

この記事のフォト

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2024年2月27日のニュース