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浦和の成長願う選手OBとトップパートナー社長が激アツ対談 エネクル×浦和レッズ

[ 2023年4月15日 12:00 ]

対談するトップパートナーの堀川産業・堀川雅治社長(左)と浦和レッズで選手として活躍した阿部勇樹氏
Photo By スポニチ

 長らく浦和レッズで活躍した阿部勇樹氏(41=浦和レッズユース・コーチ)と、クラブのトップパートナーである堀川産業(本社・埼玉県草加市)の堀川雅治社長(52)の対談が実現した。阿部氏は多大な支援を受ける堀川産業への感謝の気持ちを伝えるとともに、今季のレッズについて談議。指導者としての夢などについても語った。

 阿部氏と堀川産業には深いつながりがある。21年シーズンで現役を引退し、昨年11月12日に埼玉スタジアムで引退試合を行った。その晴れの舞台でパートナー(スポンサー)を務めたのが堀川産業だった。堀川社長と再会を果たすと「多くのサポートをしていただき、とても感謝しています」と頭を下げた。

 堀川産業は18年にオフィシャルパートナー、19年からはトップパートナーとなった。同社の総合エネルギーサービスブランドである「Enecle(エネクル)」はレッズのユニホームの鎖骨部分にロゴを掲出しており、今季で5年目となる。

 パートナーとなった経緯について、堀川社長は「エネルギー企業が成長するには、もっと地域に密着して地域振興や社会貢献を通じて町を明るくしていかなければなりません。埼玉の企業として認知してもらうにはどういう方法があるのかと考えた時、浦和レッズさんを応援しようということになりました」と説明した。

 パートナーとなって特に共感したのは、「浦和レッズハートフルクラブ」などの地域貢献の活動だった。「そういったところで協力したいと思いました」と、19年からは試合機会が少ない小学校4年生を対象とした「浦和☆RedsLand CUP」の協賛も始めた。支援はトップチームに限らず、子どもたちにも向けられている。

 将来のレッズを担う人材の育成という点では、阿部氏も22年からユースのコーチとして指導にあたっている。「指導者としてスタートして、普段は使わなかったパソコンを使ったりだとか、分からないことばかりでした」と振り返る。指導に関しては「遠慮していた部分もあったのかなと思っているので、2年目はそういうのを取り払って、やるべきことをやっていかないと。選手たちがレベルアップするために、自分が指導者としてレベルアップしないといけない」と決意を語った。

 阿部氏は現役時代、オシム監督やペトロヴィッチ監督の下でプレーした。「当時の練習は非常に重要だなと思っています。でも(指導者として)全く同じことをやってはいけない。どこかを変えて自分の色としてやっていかないと。目指すサッカーは何かと聞かれたときに、しっかり説明できるように、そして見ている人にしっかり伝わるサッカーでなければダメだと思っています」と考えている。

 昨年はA級コーチライセンスの講習を終了し「来年はS級ライセンスを取りに行きたいと思っています」と明かした。S級ライセンスを獲得すれば、トップチームの監督もできる。「もちろんレッズでやりたいというのはあります」と将来を見据えている。

 トップチームは今季、スコルジャ新監督を迎え、4、5月にはアルヒラル(サウジアラビア)とのACL決勝を控えている。アルヒラルは19年のACL決勝で敗れている相手。阿部氏は「またアルヒラルということなので、互いの状況、ピッチの状況は分かっていると思うので、前回とはまた違った戦いになる。優勝して埼玉、日本を盛り上げてほしいと思います」と期待を込めた。

 カギを握る選手については「相手は攻撃のパワーがあるので、欧州で活躍したショルツ選手の経験は最後のところで強みになると思います。攻撃ではレッズに戻ってきた興梠選手には頑張ってほしい。トップチームにもアカデミー出身の選手がいるので、そういった選手が活躍すると今のアカデミーの子に勇気を与えるので頑張ってほしいですね」と話した。堀川社長は「個人的には大久保選手がどれくらい活躍してくれるか楽しみです」と背番号21のさらなる成長を願った。

 堀川産業は21年から「レッズでんき」という電力供給サービスを実施している。収益の一部を浦和レッズの活動資金や地域貢献活動に使っており、電気を利用することでレッズをサポートできるというサービスだ。加入者にはノベルティーグッズを渡したり、会員限定で埼玉スタジアムビューボックスへの招待なども行っている。堀川社長は「安心して使えるように、電気代高騰のリスクは極力低めにしています。ふだん電気やガスを使っている中でレッズを感じられるようにしています」と説明した。

 埼玉スタジアムの芝生全面張り替え工事のため、今季のホームゲームは浦和駒場スタジアムで行われてきた。22年ぶりに新しくなる芝生での最初の試合は4月15日の札幌戦。今季は声出し応援が可能となったため、大声援を背にプレーすることになる。阿部氏は「正直、(大声援に)慣れていない選手もいる。そういったプレッシャーをどう力にしていけるかで選手のレベルアップ、成長につながるので頑張ってほしいですね」とエールを送った。

 堀川社長は「レッズのエネルギー源と言えば、一番はサポーター。そこを中心に町や地域を盛り上げてほしいと思っています。そして我々も末永くサポートして、原動力の一つになれるように頑張っていきたいと思っています」とクラブ、サポーターと共に歩んでいくことを約束した。

◇阿部 勇樹(あべ・ゆうき)1981年(昭56)9月6日生まれ、千葉県市川市出身の41歳。市原(現千葉)ユースだった98年に16歳333日で当時最年少のJ1出場。04年アテネ五輪出場。07年に浦和に移籍。10年W杯南アフリカ大会出場後、イングランドのレスターに移籍した。12年に浦和に復帰し、21年までプレー。J1通算590試合75得点。日本代表は53試合3得点。

▽堀川産業 前身は1948年創業の燃料登録販売店「堀川商店」。52年に法人に改組。53年にLPガスの販売を開始。63年に堀川産業に社名変更。66年に自動車用燃料の販売開始。15年に都市ガス事業、16年に電気販売事業に参入した。17年にEnecle誕生。ブランド名は「エネルギーで快適な未来をつくる」という意味と「エネルギーサークル(エネルギーの輪を広げたい)」という思いが込められている。

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2023年4月15日のニュース