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W杯初の女性審判員・山下良美さん “腰のボタン”の意外な使用法「周りの人たちを巻き込んで」

[ 2022年12月21日 16:51 ]

ベルギーvsカナダで第4審判を務めた山下良美さん(中央)=撮影・小海途 良幹
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 サッカーFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で、女性として史上初めて審判員を務めた山下良美さん(36)が、21日放送のフジテレビ系「Live News イット!」(月~金曜後3・45)にゲスト出演し、大会を振り返った。

 山下さんは6試合で、選手交代やアディショナルタイムの表示を担当する、第4審判を務めた。自身の初戦は1次リーグのベルギー―カナダで、「体中で大会を感じるというんですかね?入場の時には炎が上がる熱さと、スタジアムの涼しい風とか、声もそうですけど、体に伝わってくる振動のような、いろんな感覚を使ってこれをもっと味わいたいという気持ちになりました」と振り返った。

 試合中には、腰に取り付けた機器のボタンで、主審、副審、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)と連携を取り合うシステムを使う。審判間のやりとりについて、山下さんは「まずは判定に関することが多い。ファウルであることを伝えたり、主審がすべて見えるわけではないので」と説明。さらに「それ以外に私は、鼓舞したりする時に使ったりもします、自分自身を。この時間、集中しようとか。自分のためなんですけど、周りの人たちを巻き込んで、この時間集中しようとか、ここちょっと気をつけようとか」とも明かした。

 大会では6人の女性審判たちが活躍。主審を務めた審判員もいた。山下さんは「全ての審判員にとって、W杯というのは素晴らしい舞台なので、目指していると思いますし、その一人として私も目指しています」と目標を掲げた。一方で、「私はもともと目の前のことをどんどん積み上げていっていたので、それは変わらず、目の前の試合だけを見ていきたい」と、焦らず一歩一歩、目標に向けて前進していきたい思いを口にしていた。

 女性審判が採用された初めての大会で、歴史を刻んだ山下さん。「今回、女性が初めて男子のW杯に参加するということで、これからにつながって欲しいと願っています。それを見て、小さい子が“自分も目指したい”と思ったりとか、そんな気持ちを少しでも持っていただけたら本当にうれしい」と、願いを明かしていた。

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2022年12月21日のニュース