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川崎F「博多の森の歓喜」4発 マルシーニョ因縁の地でプロ発ハット 首位・横浜に5差3位浮上

[ 2022年8月21日 04:30 ]

明治安田生命J1第26節第2日   川崎F4ー1福岡 ( 2022年8月20日    ベススタ )

<福岡・川崎>前半終了間際、自身2点目のゴールを決め、駆け出す川崎・マルシーニョ(右から2人目)
Photo By 共同

 明治安田生命J1リーグは各地で4試合が行われ、川崎Fは敵地で福岡に4―1で大勝した。FWマルシーニョ(27)がチーム内得点王に躍り出る圧巻の3得点。首位の横浜より1試合消化が少ない状況で勝ち点差を8→5に縮め、リーグ3連覇への希望を膨らませた。

 マルシーニョが「歓喜」を呼び込んだ。前半7分、脇坂の縦パスを起点に山根の折り返しを中央で押し込むと、同45分にゴール前の混戦で決勝点を奪った。最後は後半19分、家長の右クロスを豪快に頭で決め「プロ生活の中で初めてのハットトリック」を達成した。同28分には全4得点に絡んだ家長がPKを成功させ、ゴールラッシュを締めくくった。

 会場は98年、初開催された一発勝負のJ1参入決定戦1回戦で鬼木監督らが福岡を相手に「博多の森の悲劇」と呼ばれる死闘を演じ、敗れた地だった。16年6月には引き分けが第1ステージのV逸に直結。2連覇した昨季は8月に初めて黒星を喫し、山根が今も「サポーターの怒号を覚えている」という因縁があった。この場所での白星は06年5月以来、実に16年ぶり。重みの詰まった1勝で3連覇へ希望をつないだ。

 試合直前には選手1人が体調不良ではないアクシデントで、ベンチが1人少ない6人に。前半終了間際にはエースのレアンドロ・ダミアンが負傷し、担架で退いた。不穏な空気が流れたが、タイトルへの執念が王者のサッカーを完遂させた。

 「優勝するには1試合も落とせない。いろんな言い訳ができる状態でも、それはしないという覚悟が、若い選手も含めて全員でできている」。ダミアンに代わった小林は胸を張って勝ち点5差先にある首位を見据えた。

 ▽ハットトリック 川崎FのFWマルシーニョが福岡戦で、広島FWベンカリファがG大阪戦で3得点。ともに自身初。今季3、4度目で通算253、254度目。複数選手の同日達成は通算30度目。

 ≪98年J1参入戦敗退&昨季初黒星の地で16年ぶり白星≫▽98年J1参入決定戦 翌99年からのJリーグ2部制導入を前に97、98年のJリーグ成績下位4チームと資格を満たしたJFL最上位の川崎Fの5チームでJ1の3枠を争った。川崎Fは1回戦でJリーグ18位の福岡とアウェーの一発勝負で対戦。終盤まで2―1とリードしたものの後半終了間際に追いつかれ、延長Vゴールを許し敗退。劇的な展開をまとめたスポーツライター・金子達仁氏の著書から「神を見た夜」とも呼ばれる。

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2022年8月21日のニュース