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カズ次男、格闘家の孝太が独占手記でエール 父であることの証明がゴールであり、カズダンス 

[ 2022年3月14日 05:30 ]

JFL第1節第1日   鈴鹿ポイントゲッターズ2-0ラインメール青森 ( 2022年3月13日    四日市 )

独占手記をつづったカズの次男・孝太
Photo By スポニチ

 4部相当の新天地で新たなサッカー人生をスタートさせたカズ。次男で昨年大みそかに「RIZIN.33」で格闘技デビューした三浦孝太(19=BRAVE)が尊敬する父へのエールを「独占手記」でつづった。

 時々、父は人間じゃないのでは、と思うことがあります。この年齢で現役を続けていることも、この運動量を維持できるのも普通ではない。自分がケガをした時に診てもらった医師の方に「お父さんの体は本当に凄い。回復力とか医学的には証明できない部分がある」と言われるんです。普通の人なら治るまでに数カ月かかるケガも父はすぐに治ってしまうと。

 55歳の挑戦。いろいろ言う人もいますが、父の情熱と努力を知っている分、個人的にはもっと評価されるべきだと思う。経験値で見せられる部分、年齢を重ねても衰えず、むしろ成長する部分だってある。カテゴリーは関係ない。父であることの証明がゴールであり、カズダンスなんです。いつもみんなをワクワクさせる姿を見せてほしい。

 僕の記憶にあるプレーヤーとしての父は神戸時代(01~05年)から。物心ついた時には自慢の父でした。格闘技を始めたのもムハマド・アリが好きな父の影響ですし、映画「男はつらいよ」を好きになったのも、ある時、父の部屋に行ったら「寅さん」を見ながら爆笑していて、そこまで笑うのなら見てみようかなと。案の定、はまってしまい、その後は全部見ちゃいました。

 昨年、横浜FCの試合帰りの車で一緒になり、何話が好き?と聞かれました。「27話」と言ったら父も同じで、2人してマドンナ役の松坂慶子さんが奇麗だったねと。やっぱり親子ですね。先日は一緒に柴又にも出掛けました。ピッチ外の父は、兄と僕とまるで3兄弟。仲が良く、一緒にふざけて母に怒られたりもします。小さい頃、九九を教わると「3×3が9」と言うところを父は「サザンはオールスターズ」なんて言ったりして。母には「変なこと教えないで」と言われていました。

 僕自身は大みそかに格闘技デビューし、初めて見られる側になりました。デビュー前に周囲の反応が気になってしまい、ネットなどのコメント欄を見ると、批判的な声、誹謗(ひぼう)中傷もありつらい気持ちになったこともあります。そんな時も父は「堂々としてろ」と言いました。実力と知名度が比例しない選手はいる。でも必ず見えないところで努力している。そういう人をバカにしてはいけないと思うよと。父もいろいろ言われることはある。でも世界中で批判されないスターなんていないと言います。ずっと父を見てきた分、響くものがありました。

 高校1年のとき、初めて見た格闘技がRIZINで憧れを抱きました。僕はまだまだこれからですが、まず一試合ずつ勝つことを大事に、その先にあるものに挑戦したい。父は信念がブレなければいいと言います。海外の団体や練習にも興味はありますが、僕は日本で強くなって大好きなRIZINを大きくしたいという思いが強い。かつて父がJリーグの存在を大きくしたように。(総合格闘家)

 ≪流れる“キングの血”「今を頑張らないと」≫三浦孝太は座右の銘として「Now or Never(今しかない)」と記した。「(デビュー戦は)いい勝ち方ができましたが、これがつまらない試合で負けたりしていたらまた次だな、とはならないと思っていてスポーツでも勉強でも恋愛でも今を頑張らないと」と話す。強い覚悟とその一瞬を大切にするプロ意識は、やはりキングに通じるものがある。

 ◇三浦 孝太(みうら・こうた)2002年(平14)5月28日生まれ、神戸市出身の19歳。明星学園高卒業後、プロ格闘家を目指すために進学せず、シドニー五輪レスリング63キロ級代表で元総合格闘家の宮田和幸のBRAVEに入門。大みそかの「RIZIN・33」でデビューし、1ラウンドKO勝利。1メートル75、69キロ。 

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2022年3月14日のニュース