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マンCのウクライナ代表DFジンチェンコ 英BBCで反戦への思いを強調「この戦争を止めなければ」

[ 2022年3月5日 13:24 ]

キャプテンマークを巻いたジンチェンコ(AP)
Photo By AP

 サッカーのイングランド・プレミアリーグでマンチェスター・シティーに所属するウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコ(25)が4日、英BBCのインタビューでロシアの侵攻にさらされている母国への思いを語った。

 マンチェスターの自宅で侵攻を知ったというジンチェンコは「夜中に家内に起こされた。彼女は叫んでいてウクライナで何が起こっているかビデオや写真を見せてくれた。とてもショックだったよ。あなた方にとって一番近い感情は身近な誰かが亡くなるということだと思うけど、もっとひどかったよ」と振り返った。

 友人を含めた多くのウクライナ人は祖国に残ってロシアと戦い、戦闘に従事するために帰国する国外在住者もいるという。「正直なところ、娘や家族がいなければ私も戻るだろう」とジンチェンコ。「ウクライナ人であることを誇りに思っているし、それは残りの人生でも変わらないだろう。国民のメンタリティーは分かっている。彼らは死を選ぶだろうし、実際に命を落とすだろう。でも、彼らが諦めることはない」と訴えた。

 1日のFA杯5回戦では2部ピーターバラを相手にキャプテンマークを巻いてフル出場し、連帯をアピール。場内から大きな拍手を送られ、世界からの支援を実感した。

 「皆さんにとても感謝していると伝えたい。ウクライナからも、たくさんメッセージを受け取るんだけど、支援について尋ねてくるんだ。みんなまだテレビでサッカーを見ている。だから、こういうこと(支援)は彼らにとって大きな助けになると思う」
 その一方で戦争反対へのアクションが少ないロシア代表選手に対する不満も漏らした。

 「驚いたよ。代表でプレーしている選手のほとんどはインスタグラムでもフェイスブックでもたくさんのフォロワーがいる。彼らはこの戦争を止めるために何かができる。人は彼らの言うことに耳を傾けるんだから」

 今回のインタビューに応じたことに触れ「受けるべきか受けないか数日迷った」とジンチェンコ。しかし、世界にウクライナの現状を伝えなければならないという使命感から決断したという。「全ての人々が無視することがないように、ただメッセージを伝えたいだけ。この戦争を止めなければならない」と悲痛な思いを訴えた。

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2022年3月5日のニュース