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FC東京 18歳・松木玖生が鮮烈初陣、アルベル監督絶賛「将来日本サッカーに喜び与える」

[ 2022年2月19日 05:30 ]

明治安田生命J1第1節   FC東京0ー1川崎F ( 2022年2月18日    等々力 )

<川崎F・FC東京>前半、競り合うFC東京・松木(左)(撮影・西海健太郎)
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 30年目を迎えた明治安田生命J1リーグは18日、川崎F―FC東京の「フライデーナイトJ」で開幕し、3連覇を目指す川崎FがFC東京を1―0で下して白星発進した。今年度の全国高校選手権で青森山田を優勝に導いたFC東京のMF松木玖生(18)が、クラブの高卒新人では15年ぶりとなる開幕戦先発出場。チームを勝利に導くことはできなかったが、豪快なシュートを放つなどインパクトを残した。

 東京の、日本の新たな才能が輝きを放った。前半28分、ゴール正面で得意の左足を振り抜く。枠を捉えたミドルシュートはGKに止められたが、敵地の空気を一変させた。「開幕戦で点を取りたかったし、あそこを決め切るかで勝敗が分かれる。練習からしっかりやりたい」。鮮烈な開幕戦デビューを飾った松木だが、反省を口にした。

 右インサイドハーフの位置から前線に顔を出し、攻撃に迫力を加えた。前半44分、絶妙なトラップからのラストパスで決定機を演出。自慢のフィジカルでも後半27分に交代するまで当たり負けせず、川崎Fのチャナティップに競り勝つ場面もあった。「いつも通りやっただけ。そこは上回れるところだと思う」。来月1日に卒業式を迎える18歳は自信満々に振り返った。

 フィジカル以外にも規格外のものを持つ。チームに合流した1月20日はエンリケ・トレヴィザンの24歳の誕生日だった。夕食会場にケーキが運ばれると、松木はサプライズで「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」を熱唱。合流初日に披露した歌声は、肉体同様にブレなかった。

 バルセロナの育成組織の指導者だったアルベル監督は「松木には満足している。遠くない将来、日本サッカーに大きな喜びを与える」と称えた。クラブの高卒新人の開幕戦先発は07年のDF吉本以来となったが、松木には通過点でしかない。「ボールを失ったのはチームの中で一番多かった。試合通して奪われず、得点を決めたい」。世界も見据える強気なルーキーの向上心が満たされることはない。

 ◇松木 玖生(まつき・くりゅう)2003年(平15)4月30日生まれ、北海道出身の18歳。青森山田中では全国大会優勝2回。青森山田高では1年からレギュラーで、高校選手権では1、2年時に準優勝し、本年度は優勝。15試合出場で10得点をマークした。昨年10月には飛び級でU―22日本代表に選出。1メートル80、76キロ。利き足は左。 

 【開幕戦で活躍した主な高卒ルーキー】
 ☆城 彰二(鹿児島実→市原、FW) 94年3月12日のG大阪戦に先発出場。前半24分に江尻のクロスをヘディングで合わせ、史上初の高卒新人開幕弾。2シーズン目を迎えたJリーグの第1号ゴールで、チームを5―1の勝利に導いた。

 ☆高原 直泰(清水東→磐田、FW) 98年3月21日の京都戦で後半25分から途中出場すると、その3分後に右足でゴール。高卒新人としては城以来4年ぶりとなる開幕戦の得点で、2―0の勝利に貢献した。

 ☆内田 篤人(清水東→鹿島、DF) 06年3月5日の広島戦で高卒新人としてはクラブ史上初となる開幕戦先発出場。安定した守備とドリブル突破で先制点となるPKを誘発。チームは4―3で勝利した。

 ☆荒木遼太郎(東福岡→鹿島、MF) 20年2月23日の広島戦で後半15分から出場し、クラブの高卒新人としては内田以来14年ぶりの開幕戦デビュー。強烈なシュートを放つなど存在感を示したが、チームは0―3で敗れた。

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