城彰二氏　全員で体を張って守った山梨学院に軍配

第99回全国高校サッカー選手権大会決勝   山梨学院2ー2（PK4ー2）青森山田 （ 2021年1月11日    埼玉 ）

＜青森山田・山梨学院＞優勝した山梨学院イレブン
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　【城彰二　視点】山梨学院が攻守に粘りを見せて優勝した。青森山田の攻撃に対して、全員で体を張ってよく守った。GK熊倉とCB一瀬を中心に中は堅かったし、谷口と石川のダブルボランチも、サイドは破られても中はよく固めていた。対戦相手をよく分析して、松木や安斎の特長は出させないようにしていた。

　攻撃では選手交代を早めに行って流れを変えていた。MF笹沼はキープできてスルーパスも出せてリズムをつくれる。後半25分に出場してから攻撃が立て直せて、彼のパスから野田の同点ゴールが生まれたのは象徴的だった。ベンチの選手も含めて多くの選手で戦うことでチームの一体感やモチベーションの高さにもつながった。

　PK戦は山梨学院が有利だった。この大会で3回戦、準決勝と2試合勝ち抜いていて慣れていた。青森山田のように大差で勝つことが多いチームはPK戦の経験があまりない。この差も大きく影響したと思う。

　この大会では青森山田の内田らのロングスローが注目されたが、ゴールに直結するシーンがつくれるのだからもっと練習したほうがいい。リバプールにはスローインのコーチもいるそうで、武器になるなら磨くべき。日本代表でもJリーグでもこれをきっかけに戦術として取り組んでほしい。（元日本代表FW）