×

中田浩二氏 初制覇の川崎F「終盤の戦いは鹿島の黄金時代を彷彿」

[ 2021年1月3日 05:30 ]

第100回天皇杯決勝   川崎F1―0G大阪 ( 2021年1月1日    国立競技場 )

<川崎F・G大阪>天皇杯を掲げる中村(中央)と喜ぶ川崎Fイレブン(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 【中田浩二 視点】川崎Fの貫禄勝ちだった。前半から攻めて、いつ点が入るかという展開だったが、G大阪もよく守り、後半は守備ラインを上げて前線でボールを奪うことを意識した。その分守備ラインの裏にスペースができ、そこを川崎Fがついて、三笘がゴールを決めた。抜け目がない。押し込んでチャンスもつくれるし、相手が出てきたら、いなして裏を狙う。相手の出方に応じた引き出しがあるところはチームの完成度の高さだった。

 中盤の守田と田中が成長したことで、大島の守備の負担が減って攻撃の多彩さにつながっている。以前は先制しても終盤で失点し、逆転されることがあったが、谷口とジェジエウのセンターバックを中心に体を張って守り切った。タイトルを取って勝ち方を覚えたことでチームが成長した証明だろう。

 中村を使わなかったのは鬼木監督が勝つことに徹したから。決勝戦は何が起こるかわからないし、脇坂の成長やチームの来季のことを考えた判断だろう。鹿島もジーコが勝ちにこだわる姿勢を注入したが、鬼木監督も鹿島に在籍しており、ジーコイズムに触れている。終盤の戦いは鹿島の黄金時代を彷彿(ほうふつ)させる。来季も川崎Fが優勝争いに加わることは間違いないだろう。(元日本代表DF)

続きを表示

2021年1月3日のニュース