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市船16強 6度目日本一へ視界良好、“両刀遣い”木内が2戦連発

[ 2021年1月3日 05:30 ]

第99回全国高校サッカー選手権第2日 2回戦   市船橋(千葉)1-0那覇西(沖縄) ( 2021年1月2日    フクアリ )

<市船橋・那覇西>2試合3得点と市船橋をけん引する木内 (撮影・西川祐介)
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 2回戦16試合が行われ、市船橋(千葉)は那覇西(沖縄)を1―0で下し、5大会ぶりに16強入りした。0―0の前半19分に、DF木内拓海(3年)が2試合連続となる先制ゴール。箸は左、スプーンは右手を使う異色の“両刀遣い”が、利き足とは反対の右足で今大会3点目を挙げた。また、仙台育英のMF島野怜(2年)が今大会2人目となるハットトリックをマークした。

 とっさに振り抜いたのは右足だった。0―0の前半19分。敵陣中央でパスを受けた市船橋の木内が、ダイレクトで放ったシュートは弧を描いてゴール右上隅に吸い込まれた。2発を決めた初戦の佐賀東戦に続く2戦連発。それも利き足とは逆の右足での決勝弾に「正直、右足で点を取るのは初めてかも」と無邪気に笑った。

 幼少時から箸は左でスプーンは右手。ペンは左で習字は右手。無意識に使い分けてきた。ソフトボール女子日本代表の上野由岐子(38=ビックカメラ高崎)が利き手とは逆の左手で食事をとり、体のバランスを整えていることは有名。本人は「よく分からない」とおどけたが、異色の“両利き”が大一番で生きた。

 DF登録ながら今大会2試合で3得点。本来は最終ラインを任されていたが、千葉県予選直前に左サイドハーフへ転向した。波多秀吾監督(38)は「左利きのサイドハーフを育てたかった。少しずつ成長してきたかな」と及第点を与えた。自慢の器用さを武器に、チームの攻撃の柱として頭角を現した。

 先月、同校の男子バスケットボール部でクラスターが発生。休校措置となり、大会1週間前に練習を再開したばかりだった。当初はコンディション面を不安視されたが、木内は「今は自信を持って臨めている」という。不安材料も払しょくし、帝京、国見に並ぶ戦後最多タイ6度目の日本一へ挑む。

 ◆木内 拓海(きうち・たくみ)2002年(平14)11月18日生まれ、埼玉県出身の18歳。FC KASUKABEで競技を始める。中学時代はU―15クラブユース選手権、高円宮杯U―15関東大会出場に貢献。関東トレセンリーグU―15に埼玉県代表として出場した。高校では1年時から左SBで出場。家族は両親と妹。1メートル74、68キロ。血液型O。

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