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横浜FC・カズ J1最年長出場更新で“特別な1年”締めた「日本人誇りに思う」

[ 2020年12月20日 05:30 ]

明治安田生命J1最終節   横浜FC3ー1横浜 ( 2020年12月19日    ニッパツ )

<横浜FC・横浜>後半、パスを出す横浜FC・三浦(右から2人目)
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 横浜FCのFW三浦知良(53)が今季最終戦の横浜戦に後半45分から途中出場し、自身のJ1最年長出場記録を53歳9カ月23日に更新した。試合も3―1と快勝。新型コロナ禍に見舞われたプロ35年目はリーグ戦出場4戦に終わったが、白星で締めくくった。来季のJ1はカズの誕生日となる21年2月26日に開幕。J1最年長得点は54歳で迎える来季へ、お預けとなった。

 ラストマッチもカズらしく勝利に徹した。後半45分、FWに投入される。「(下平監督から)細かな指示はなかった。よろしくお願いしますと。これは指示じゃないよね(笑い)」。2点リードの戦況。献身的なプレスと落ち着いたボールさばきで貢献した。試合後は指揮官と抱擁。「この勝利は来季につながるね」と称え合った。

 53歳での出場4戦(無得点)。既に世界でも例を見ない領域だが、カズは「これが今の僕の実力。満足はしていない」と悔しがる。一方で目の前に広がる光景には胸を熱くした。コロナ禍が長引き、欧州や南米では今も無観客開催が続く中、Jリーグでは観客を動員し全日程を終えた。「日本人の持つ強さ、秩序、規律に尽きる。本当に誇りに思う」

 12月19日。運命の日に新たな金字塔を打ち立てた。15歳の時、静岡駅を新幹線で出発し、単身でブラジルへ渡ったのが82年のこの日だ。「片道切符でね。飛行機に乗ってすぐ緊張で嘔吐(おうと)したんだよ」。あれから38年。荒波に立ち向かう姿勢は変わらない。目に見えないウイルス、4カ月の中断期間にも負けずJ1最年長出場記録を更新した。

 試合後、ベルギー2部ロンメルに移籍するFW斉藤には花束を贈呈した。未来ある若手の海外挑戦が続く今、カズには一層、Jをけん引する自負もある。「もっと試合に出たいと毎日思っている。どれくらい伸びしろがあるか、自分にしかできないことに挑戦していきたい」。コロナ禍もあり、年明けには国内で自主トレを始動。54歳で迎える来季へ、キングは走り続ける。

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