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村井チェアマン コロナ禍でのJリーグ経営について講演「魚と情報は天日にさらすと日持ちが良くなる」

[ 2020年7月29日 05:30 ]

Jリーグの村井満チェアマン
Photo By スポニチ

 Jリーグの村井満チェアマン(60)が28日、株式会社セールスフォース・ドットコムによる「Salesforce Live:Marketing」に登壇し「コロナ禍でのJリーグ経営」について講演した。

 Jリーグと新型コロナウイルスとの戦いはスポーツ界の先陣を切る格好で今年1月には既に始まっていた。まず同22日には各クラブ代表が集う実行委員会にて全国56クラブにコロナ対策担当を任命するよう発令した。同27日にはJリーグ幹部が無観客試合、リーグの中断、チケット払い戻しなどの「備え」について協議をスタートしていたという。まだ国内に感染が拡大する前だった。

 その後、コロナ禍の拡大を受け、2月末から6月末まで約5カ月間も公式戦の中断を経験するが、その間、再開に向けた判断、対策を協議する場として実行委員会、理事会など会議の数は臨時を含め30回を超えたという。村井チェアマンは新型コロナの本質を「分断」とした。国、県、選手とチーム、クラブとリーグ、人と人など物理的にも心理的にも分断させられた。ならば「結束」を呼びかけ、対策を講じてきた。

 ワクチンや特効薬もない現状でそれでもサッカーを、選手を守っていく。プロスポーツの運営には宿泊、公共交通、飲食など様々な経済活動の支えもある。そんな中、リーダーとしてあらゆる局面で経営ジャッジを下す大前提として自身の背骨となるJリーグ理念に基いたプライオリティーを定めた。(1)国民の健康(2)不公平を飲み込んでもサッカーを続ける(3)サポーターと共に(ギリギリまで無観客は避ける)。この3点がぶれることはなかったという。

 また、Jリーグ内では「魚と情報は天日にさらすと日持ちが良くなる」と言う言葉を頻繁に用いた。30回を超したウェブ会議のたび、情報はメディアに開示した。反発を恐れることもあったが、情報開示することで新たに有益な情報がもたらされたという。

 現在、全国でコロナ禍の第2波が懸念される。Jリーグでは政府見解に基づく制限付きの観客動員、さらに70ページを超す「新型コロナ感染症対応ガイドライン」に沿いながら対策を徹底したリーグ運営を続けている。村井チェアマンは「相手の本質を見極め、手を打つ。もしくは生業(サッカー)の本質を深く洞察し対策をひもといてく。このようなことを徹底して仲間とやってきたように思います」と締めくくった。

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2020年7月29日のニュース