×

長崎、鹿島相手に秘策「3―6―1」で粘った 手倉森監督「国立の夢を見せたかった」

[ 2019年12月22日 05:30 ]

第99回全日本天皇杯サッカー選手権準決勝   長崎2ー3鹿島 ( 2019年12月21日    カシマ )

試合後、サポーターにあいさつする長崎の選手たち
Photo By スポニチ

 まさに、来年1月1日に勇退する高田明社長(70)がスローガンに掲げてきた「正々道々(せいせいどうどう)」とした戦いぶりで敗れた。今季、J2で12位の長崎が、前アジア王者・鹿島に敵地でひるむことなく、貪欲にゴールを狙い続けた。

 手倉森誠監督(52)は大一番で今季初となる3バックを採用。「リーグ戦で鹿島が3バックに手を焼いているな、と」。思い切った采配が当たり、個々の力で上回る鹿島を混乱させた。

 2点を先行されても気迫を見せた。反撃ののろしは前半37分、MF米田のゴールだ。FW吉岡からのパスに反応し、右足でネットに突き刺した。「去年J1で鹿島と対戦した時、メンタルの弱さを感じたのでそこを克服していいプレーをしようと思っていた。スタメンで出られて気持ちが高まっていた」。成長を感じたゴールに「悔しいが、来季へ凄くいい試合が見せられたと思う」と胸を張った。

 後半、再び2点差に突き放されるも、諦めなかった。直後の31分、FW呉屋が放ったシュートのこぼれ球をMF沢田がゴールし、すぐにまた1点を返した。「ふかさないように押し込むだけだった」。粘りをみせたことに「鹿島相手でやられることも想定していたので、下を向かずにやることができた。来季につながる試合ができたと思う」と前を向いた。

 指揮官は「元日、新国立に長崎県民を連れていく夢を果たせず申し訳ない」とあと一歩及ばなかった敗戦に頭を下げた。それでも「来季の可能性を選手たちが示してくれた」。飛躍へつながる2発に確かな手応えを感じていた。

 長崎の社長として最後の試合を現地で見届けた高田社長は顔を上気させ「めちゃくちゃ良かった。この3年間の中で、今日が一番いい試合だった」と、格上の相手と互角以上に渡り合った選手を称えた。

続きを表示

2019年12月22日のニュース