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久保“飛躍への12分”見せ場なく悔しさあらわ「何もしていない」

[ 2019年9月3日 05:30 ]

スペイン1部   マジョルカ0-2バレンシア ( 2019年9月1日 )

バレンシア戦の後半に途中出場し、スペインでの公式戦デビューを果たしたマジョルカの久保建(左)
Photo By 共同

 スペイン1部リーグの名門レアル・マドリードからマジョルカに期限付き移籍した日本代表MF久保建英(18)が1日、敵地のバレンシア戦で待望のスペインデビューを飾った。0―2の後半34分から右MFでプレー。約12分間で見せ場はつくれなかったが、18歳2カ月28日は欧州4大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア)における日本人最年少出場。新たな一歩をしるした久保は3日に帰国し、日本代表に合流する。 日本代表メンバー

 待ちに待ったスペインデビューも、久保に笑顔はなかった。試合が終わると約4万人の相手サポーターの歓声の中、DFアグベニェヌと議論を交わし、ピッチを後にした。敗戦の悔しさからか、チームの広報担当に「何もしていないから、話すことはない」と告げ、無言でバスに乗り込んだ。

 その瞬間は後半34分、この日2度目の給水タイムが設けられた直後に訪れた。青のビブスを脱ぎ、モレノ監督からの指示を入念に聞くと、ブーイングを浴びる中、背番号26の赤のユニホームでピッチに立った。ファーストタッチは3分後。右サイドでボールを受けラゴ・ジュニオールにパスを供給した。

 直後には、同じ18歳のU―20韓国代表MF李康仁(イガンイン)とのプロ初対決も実現し、試合後は言葉も交わした。時間は約12分でプレー回数は4回。41分にはDFガヤからボールを奪って仕掛けるなど積極的な姿勢を見せたが、圧倒的劣勢の中では、さすがの久保も見せ場はつくれなかった。

 プレシーズンはRマドリードのトップチームに同行。活躍を見せ、スペイン国内での注目度も高かった。バレンシアの公式HPでも、06年のU―12国際大会以来となる李康仁との18歳対決が報じられた。試合前に久保がピッチに登場すると、スタジアム内のモニターはアップで中継。期待が大きかっただけに、ほろ苦いデビューとなったが「世界へ羽ばたきたい」と話す18歳は、確かにバレンシアの地で第一歩をしるした。

 35歳のベテランMFサルバ・セビリアは試合後に「クボは若い。あまりプレッシャーをかけないようにすべきだ」と思いやった。若くして注目を浴びながら、これまでも数々のプレッシャーをはねのけてきた令和の天才。マジョルカで、そして3日に帰国して即合流する日本代表で、期待に応える機会はすぐにやってくる。

 ≪丸岡抜き日本人最年少出場記録≫18歳2カ月28日でスペイン1部デビューを果たした久保は、ドルトムントMF丸岡満(現C大阪)の18歳8カ月14日を抜き、欧州4大リーグにおける日本人最年少出場記録を樹立。スペイン1部でも12年のセビリアFW指宿洋史(現湘南)の20歳10カ月25日を大きく更新し日本人最年少出場となった。

 久保はFC東京U―23時代の16年11月5日、J3長野戦に15歳5カ月1日で途中出場しJリーグ最年少出場記録を塗り替え、翌17年にはJ3のC大阪U―23戦でJリーグ最年少得点(15歳10カ月11日)を記録。日本代表を含め今後も数々の記録更新が期待される。

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