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レアル クラシコ直前に不協和音…ベール 決勝PK弾も同僚の祝福拒否

[ 2019年2月26日 21:53 ]

<レバンテ・Rマドリード>後半、PKを決めたベール(右)はチームメートの祝福を振り払い自陣に戻る
Photo By ゲッティ=共同

 宿敵との大一番を前に、スペイン1部3位のレアル・マドリードに不協和音が表面化した。24日、アウェーでレバンテに2―1と辛勝。途中出場したウェールズ代表FWギャレス・ベール(29)が後半33分にPKで決勝点を決めたが、直後に同僚からの祝福を拒んだ。27日のスペイン国王杯準決勝第2戦、続く3月2日のリーグ戦で連戦となるバルセロナ戦に向けて、チーム内の不和は不安要素となりそうだ。

 勝ち越し点を決めた直後の態度とは思えなかった。1―1の後半33分、微妙なビデオ判定の末に得たPK。キッカーのFWベールは左足で右隅に今季リーグ7点目を決めたが、後ろから抱きつこうとしたFWルーカスを手で振り払った。仏頂面のまま自陣に戻り、試合終了直後も同僚と勝利を喜ぶことなく足早にピッチを後にした。

 ソラリ監督は「ゴールパフォーマンスは好きに祝えばいい」とベールを擁護したが、地元では波紋が広がった。マルカ紙は「チームでの新しい役割(ベンチスタート)と、最初の交代選手ですらない現状に不満を表したもの」と分析した。

 今季こそ“ガラスのエース”を脱却し、真のエースになるはずだった。「ベールならロナウド(ユベントスへ移籍)の穴を埋められる」と期待をかけてくれたロペテギ新監督が昨年10月に解任されると、ソラリ新監督の下では長年の課題である負傷離脱も重なって序列が低下。9〜12月の自己ワーストとなるリーグ10戦連続無得点がチームの不振にもつながり、ピッチ内外で批判にさらされた。

 今月には同僚のコメントも大きな注目を集めた。DFマルセロが「ベールは英語しか話さない」と加入5季目でもスペイン語が話せないことを明かし、GKクルトワは熱中する趣味から同僚に「ゴルファー」と呼ばれていると暴露。アス紙は「ベールはプライベートを明かされることが不満でチームでさらに孤立。その証拠に2週間前のチームディナーを欠席した」と伝えた。

 前日にFWメッシがハットトリックをマークしたバルセロナとは対照的に、クラシコ2連戦直前という最悪のタイミングで表面化した白い巨人の“内紛”。指揮官は「敵地で厳しい相手に勝てた。これでクラシコへ前向きに臨める」と語ったが、リーグ戦は勝ち点9で追う宿敵に敗れれば事実上の終戦となる。

 ◇ギャレス・ベール 1989年7月16日生まれ、英国カーディフ出身の29歳。9歳でサウサンプトン下部組織に加入し、06年4月に当時イングランド2部のトップチームに16歳でプロ初出場。08年にトットナム入りし、13年にRマドリード移籍。06年5月に16歳315日でウェールズ代表最年少デビュー。通算74試合で歴代最多の31得点。1メートル85、82キロ。利き足は左。

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2019年2月26日のニュース