森保監督“魂のプラン”日の丸レジェンドを「講師」招集 代表OBだからできる発想

[ 2019年1月2日 13:00 ]

「昇」と書いた色紙を手に笑顔を見せる、日本代表の森保監督
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 日本代表、U―22日本代表を兼任する森保一監督(50)が新年にふさわしい大胆なプランを掲げた。A代表の引退を表明しているMF本田圭佑(32=メルボルン・ビクトリー)、MF長谷部誠(34=Eフランクフルト)ら“代表レジェンド”を合宿に招き、心得や魂を継承させようとする私案を明かした。5日にはアジア杯(UAE)が開幕、9月からはW杯予選が始まる。一方で東京五輪のプレイヤーとなる大事な一年。森保マジックに注目が集まる。

 2019年はA代表も、東京五輪世代も、新たなステージへと突入する。兼任の重責を担う森保監督は過去に例をみない大胆なプランを温めていた。

 「本田圭佑や長谷部誠…、時間があれば代表を引退したという選手にも(代表合宿に)足を運んでもらい、いろんな事を伝えてもらいたい。そういう機会があればと思う」

 いわば、OBとの合同トレ。実現すれば日の丸を背負う意義、重み、魂の継承を進める上でまたとない機会となる。

 「練習を一緒にやってもらうのも良いですし、オフ・ザ・ピッチの場で何か話してもらえれば。想像の中ではいろいろと(笑い)。世代を超えた合同練習は(昨年中も)やりたいと思っていました。同じ目線で、経験のある選手が伝えることで、若い選手に響くことは多いと思います」

 実は、若き日の森保監督も偉大な先人の背中を追い、成長の糧にした経緯がある。

 「風間さん(八宏氏=現名古屋監督)は凄く影響を受けた選手の一人です。ドイツから帰国し、当時は日本リーグ2部のマツダに移籍してきてくれて。ピッチ上では“そんな下手くそと一緒にサッカーしたくない”と言われたことも。でも風間さんに挑もうというエネルギーが湧き上がりました。正しいことを言われ、成長につながったと思っています」

 就任以来「融合」の2文字を多用する。OBとの合同トレはその究極版だ。現在もA代表に東京世代が2人いる。コーチ陣も毎回、編成が変わっている。まさに兼任ならではの戦略だ。

 「体は一つしかないので活動が重なった時に両方を見ることができない難しさはあります。選手を見る情報量も減ってくるので。ただ個人的に言えば“兼任”はメリットしかないです。選手の行き来、指導者の行き来、お互いに融合し、レベルアップすることができますから」

 来年は東京五輪、22年には最終目的地となるW杯カタール大会も待つ。助走期間となる19年、森保監督はどんなふうに描いているのだろうか。

 「漢字一文字で表すなら“昇”ですね。常に自分とチームが成長曲線の中にいられるように。カタールでは16強の壁を越えたい。西野さん(朗氏、前監督)からは目標があってストーリー立てるのではなく、結果が出てからストーリーはできる。その時、現場で起きたことにどう対応するか、チームは生きているというメッセージも頂いています」

 5日には、いよいよアジア杯が開幕する。92年大会では選手として優勝した森保監督が、今度は指揮官としての偉業に挑む。

 「強いチームはいっぱいあります。ただ、われわれが強ければ世界だろうとアジアだろうと変わらない。対戦相手を上回っていればいけるという考えです。優勝の喜びは何度味わってもいい。あの時のような幸せな気持ちになれるようモチベーションを持ってやっていきたいです」

 ◆森保 一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日生まれ、長崎市出身の50歳。現役時代は広島などでプレー。J1通算293試合15得点、代表で国際Aマッチ35試合1得点。指導者としてはU―20日本代表コーチなどを経て12年に広島監督に就任。J1で3度の優勝に導く。17年10月に20年東京五輪を目指すU―21日本代表監督に就任。18年4月にコーチとしてA代表に入閣。7月にA代表監督に就任し、トルシエ監督以来2人目となる五輪代表との兼任監督となった。

 【アジア杯VTR】

 ▼92年 広島 日本が初優勝。MVPに三浦知良が選ばれた。森保一は4試合出場で大車輪の働きを披露。苦しみながら進んだ決勝戦のサウジアラビア戦を1―0で制し、歓喜を味わった。

 ▼96年 UAE 日本はベスト8で涙をのんだ。1次リーグは3戦全勝。準々決勝では国際Aマッチで過去3戦未勝利だったクウェートに0―2で敗戦。数度あった決定機を生かせなかった。

 ▼00年 レバノン 日本が2大会ぶり2度目の優勝。1次リーグを2勝1分けで1位通過すると、準々決勝ではイラクを一蹴。準決勝で中国に逆転勝ちし、決勝でサウジアラビアに完封勝利した。MVPは名波浩だった。

 ▼04年 中国 激しいブーイングなど露骨な反日行為にさらされながら、日本が連覇で3度目の優勝。MVPに中村俊輔が選ばれた。1次リーグを1位通過。準々決勝でPK戦となったヨルダンとの死闘を川口能活の神がかり的なセーブなどで制し、勢いのまま頂点へと駆け上がった。

 ▼07年 タイ・マレーシア・ベトナム・インドネシア共催 日本は4位で3連覇ならず。高原直泰が4得点で得点王。準決勝でサウジアラビア相手に2度追いつきながらも力負け。3位決定戦では韓国にPK戦で苦杯をなめた。

 ▼11年 カタール 日本が大会史上最多4度目の優勝。MVPに本田圭佑が選ばれた。準々決勝カタール戦、準決勝の韓国戦と苦しみながら勝利。決勝オーストラリア戦は延長戦で強敵を破った。

 ▼15年 オーストラリア 日本はベスト8。アギーレ監督の八百長疑惑に揺れる中、1次リーグで3戦全勝。準々決勝のUAE戦では決定機を逃し続ける苦しい展開となり、PK戦で4―5と惜敗した。

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