×

イタリアで輝く“闘将のDNA”シメオネJrがユーベから2発!

[ 2016年11月29日 08:30 ]

セリエA ( 2016年11月27日 )

ユベントス戦でゴールを決め喜ぶジェノアのU―23アルゼンチン代表FWジョバンニ・シメオネ(AP)
Photo By AP

 親の七光じゃない!ジェノアのU―23アルゼンチン代表FWジョバンニ・シメオネ(21)が、セリエA5連覇中で今季も首位を快走するユベントスから2ゴールを挙げて、3―1の勝利に貢献した。今季から欧州初挑戦のルーキーは、元アルゼンチン代表MFでアトレチコ・マドリードの監督を務めるディエゴ・シメオネ氏(46)の長男。強豪相手に移籍後初となる複数得点をマークし、名前負けしない実力をアピールした。 セリエA順位表  得点ランク

 若きシメオネJrが王者の出はなをくじいた。前半3分に先制ゴール。速攻のこぼれ球に反応し、シュートは一度GKブッフォンに阻まれたが、すぐに右足で蹴り込んだ。10分後には右クロスをダイビングヘッドで2点目。同29分にもネットを揺らしたかに見えたが、相手がオウンゴールしたとの判定となった。

 ハットトリックは幻に終わったが、セリエAで自身初の1試合2発。イタリア代表ぞろいの堅守ユベントスからリーグ戦で複数得点を奪うのは、13年10月のフィオレンティーナFWロッシ以来3年ぶりの快挙で「これまでのサッカー人生で最高の日だ」と歓喜した。

 オヤジの“ハッパ”に応えた。試合の3日前、ジョバンニは電話で父ディエゴ氏から「俺はユベントス戦でゴールを決めた。おまえにもシメオネの血が流れているんだぞ」と気合を注入されたという。父親はラツィオ時代の00年4月に決勝点を決めて1―0で勝利。この白星が効いて、ラツィオはユベントスを勝ち点1上回って26季ぶり2度目のリーグ制覇を果たした。

 当時5歳だった長男が16年後に「僕も同じことをしなくちゃいけない」と同じユーベ撃破弾を記録。ポジションは違うが守備にもハードワークするスタイルは親譲りだ。ディエゴ氏はこの日、Aマドリードを率いてオサスナに3―0と快勝。その後、ツイッターに16年前のユベントス戦での自身の写真と、この日の息子の写真を投稿。ゴール直後に両手を広げて歓喜する姿は親子そっくりで「EMOCIONANTE(スペイン語でエキサイティング)」と一言だけ喜びをつぶやいた。

 子供のころから偉大な父親との比較にさらされてきた。「“シメオネの息子”は簡単ではない。試合に出られるのは父親のおかげと言われた」。母国の名門リバープレートでは13~15年にリーグ24試合で2得点と結果を残せず、レンタルに出された同1部バンフィエルドで昨季29試合12得点。結果を残してリオ五輪代表に選ばれ、セリエA挑戦のチャンスをつかんではい上がってきた。将来の夢は「いつか父のような偉大な監督の下でプレーしたい」。リーグ戦得点はまだ4。父子鷹を実現するためにも、イタリアでゴールを積み重ねる。

 ◆ジョバンニ・シメオネ 1995年7月21日、スペイン・マドリード生まれの21歳。リバープレート(アルゼンチン)の下部組織から13年にトップチーム昇格。15~16年にバンフィエルド(同)への期限付き移籍を経て、今年8月にジェノア移籍。地元報道によると移籍金は300万ユーロ(約3億5700万円)。15年のU―20南米選手権で9ゴールを挙げて得点王を獲得し優勝に貢献。16年リオ五輪出場(3試合無得点)。1メートル81、81キロ。利き足は右。

 ◇ディエゴ・シメオネ 1970年4月28日、アルゼンチン生まれの46歳。現役時代は激しいプレーが売りの守備的MF。95~96年にAマドリードでリーグ、スペイン国王杯の2冠を達成したほか、インテル・ミラノ、ラツィオなどで活躍。アルゼンチン代表歴代5位の106試合(11得点)に出場し、W杯は94年から3大会連続出場。06年の引退後に指導者となり、11年に就任したAマドリードで欧州リーグ、スペイン国王杯、国内リーグを制覇。欧州CLで2度準優勝。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月29日のニュース