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村井チェアマン アジアの頂点に再び立つために

[ 2016年11月29日 09:30 ]

 11月26日、私はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦を観戦する機会を得た。対戦カードはアルアイン(UAE)と全北(韓国)。試合会場となったアルアインのホームスタジアムであるハッザ・ビン・ザイドスタジアムはドバイ空港から1時間半近く離れた位置にあり、スタジアムへは砂漠を横断する形での移動となった。

 キックオフ時点での気温は24度と快適で湿度も低く、サッカーをするには最高のコンディション。2万5000人を収容するスタジアムはアラブの男性民族衣装である白いカンドーラで埋まり、スタジアム全体を「ONLY WIN」「ONE DREAM」の横断幕が覆い、雰囲気は最高潮に達していた。

 試合は熱戦の末1―1のドローで終わり、初戦を2―1で制した全北が2試合合計スコア3―2としてAFCチャンピオンズリーグの優勝を決めた。同行していた松永英機氏(JJP<JFA/Jリーグ>協働プロジェクト推進チーム育成ダイレクター)は、タイトル奪取への勝負欲やボール際の激しいバトル、ゴール前でのギリギリの攻防などアジアのタイトルを懸けた戦いとしてふさわしいクオリティーの試合であったと感想を述べていた。Jクラブがアジア最高峰の舞台であるこの決勝の場に、常時立つことができる状況をつくることがこれまでも、そしてこれからも至上命令であるということを改めて感じる場となったことは言うまでもない。

 私がこの試合でもう一つ印象に残ったことは、日本人審判員の佐藤隆治氏、相楽亨氏らが決勝のレフェリーを担当したことだ。彼らのジャッジに注目して試合を見ていたが、正当なボディーコンタクトでは試合を止めることなく継続させてタフなゲームを演出していた。JクラブがACLの決勝の舞台で戦うことは、私たちの何よりの使命だが、日本のレフェリーがこうした試合に適応して、世界のタフなサッカーをJリーグの試合に還元してくれることも何より望んでいることだ。

 この試合の結果、全北現代モータースは12月に日本で開催される「Alibaba E―Auto プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016」にアジアサッカー連盟(AFC)を代表して出場することが決定した。併せて、本日から熱戦の火ぶたが切られる明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ決勝の勝者が開催国枠として出場することになる。アジアを代表するクラブとして2クラブが世界に伍する戦いを繰り広げてくれることを期待したい。(Jリーグチェアマン)

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2016年11月29日のニュース