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浅野が決める!初戦あえて温存のスピードスターが“突破弾”

[ 2016年1月15日 05:41 ]

ヘディングシュートを放つ浅野

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア選手権に出場中のU―23日本代表は、1次リーグ初戦の北朝鮮戦の勝利から一夜明けた14日、ドーハ市内で調整。勝てば1次リーグ突破が決まる16日のタイ戦では、FW浅野拓磨(21=広島)の起用が濃厚。手倉森誠監督(48)が手の内を隠すため初戦の起用を見送った“秘密兵器”が、突破弾を決める。

 日本が誇るスピードスターがいよいよ出陣する。北朝鮮戦後に行われたタイ―サウジアラビア戦は宿舎のテレビで観戦。「(タイは)イケイケでドンドン前から来る。そうすれば後ろのスペースが空く。僕の特長が生きる。見逃さずにスペースを突きたい」。浅野は50メートル5秒9の快足を飛ばし、DFラインの裏を狙うイメージを膨らませた。

 初戦は出番がなかったが、これは手倉森監督が1次リーグ残り2試合を見据えた作戦の一つ。指揮官は「手の内を隠すために浅野を起用しなかったのか?」という質問に対し「皆さんは僕の考えが分かるんですね」と“秘密兵器”であることを認めた。昨季、広島で大ブレークした21歳の活躍する舞台はもちろん用意されている。

 その広島では今季から背番号10をつけることが発表された。1月に入り、クラブから何度も打診され決断。「10番は(高萩)洋次郎くんの(司令塔という)イメージ。最初は“僕でいいんかな”と思いましたが、新しい10番のイメージを与えられたら。今季は背番号以上の点を取りたい」と意気込みを語った。代表での背番号は16。「代表でも背番号以上取りたいですね」。現実的には厳しい数字だがゴール量産を狙うつもりだ。

 盟友のためにもプレーする。代表とクラブでも切磋琢磨(せっさたくま)してきたMF野津田が昨年12月のクラブW杯のオークランド戦で右膝を負傷し、最終予選メンバーから外れた。その野津田から13日の試合前にメールが来た。「頑張れよと言ってくれたので、お前の分まで頑張ると返しました。次の試合でアイツの分までプレーしたい」と2人分の思いを肩に背負う。

 タイとは14年12月の東南アジア遠征で対戦している。その時は先発して60分間出場したが、得点は挙げられなかった。「あの時より強くなった日本を見せたい。自分としてはゴールをできなかったのでリベンジしたい」。勝てば1次リーグ突破が決まる一戦。浅野のゴールは五輪出場権へとつながっていく。

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2016年1月15日のニュース