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なでしこ 速攻にズタボロ…格下オランダ戦完敗で課題浮き彫り

[ 2015年12月1日 05:30 ]

オランダ戦の後半、相手に3点目を決められ厳しい表情の宮間(8)、大儀見(17)らなでしこジャパンイレブン

 FIFAランク4位のなでしこジャパンは29日、同12位のオランダと親善試合を行い、1―3で敗れた。3失点はいずれもミス絡みで、攻撃陣はボールを支配しながらMF阪口夢穂(28)の1得点のみ。来年2月29日開幕のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(大阪)が約3カ月後に迫る中、攻守で課題が浮き彫りとなった。

 アジア最終予選へ、不安たっぷりの年内最終戦だった。過去3戦3勝と負けなしだったオランダに初黒星。しかも相手シュート全3本がいずれも失点に結びついた。佐々木監督は「ゴールが決定機のところで奪えないという反省点がある。ボールを取られた時のカウンター対応なんかは、まさしく今後アジア(最終予選)でも(相手が)狙ってくる形。オランダには良い勉強をさせてもらいました」と振り返った。

 ベテランの痛いミスが失点に直結した。開始4分、宮間から宇津木へのバックパスが相手に奪われて、カウンターから先制点を許す。同21分には鮫島がコントロールを誤ったボールをメリスに奪われ、失点した。「自分も含めて、勝負どころでのチームとしての甘さが(勝敗を)左右した試合だった」と宮間は悔やんだ。

 攻撃陣は終始ボールを保持しながら決定力と連動性にも欠けた。大儀見は「位置が全体的に低いから、なかなか数的優位で攻撃に持っていけないし、攻撃にかける人数が少ない」と指摘。4―4―2でスタートした指揮官は宮間をトップ下、有町を左MFに置いた4―2―3―1など交代枠6を使い切ってさまざまなオプションを試したが、チャンスを与えられた若手は主力を脅かすほどの結果を残せなかった。

 アジア最終予選では、ボールを保持する日本に対し、他国は一瞬の隙を突いてカウンターを仕掛けてくることが予想される。加えて来年2月29日の初戦で対戦するオーストラリアにはオランダと同じく屈強な選手がそろうため「(男子)大学生に(練習試合に)来てもらって準備しないと」(佐々木監督)と、対策が急務だ。「(ミスが出たのが)今だから良かったとポジティブには思っている。相手の強さや速さを、もっと慎重に受け止めないと」と宇津木。この敗戦を糧に五輪切符獲得へ修正を図っていく。

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2015年12月1日のニュース