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「自分たちのプレーを」…星稜 事故で入院指揮官の言葉胸に16強

[ 2015年1月3日 05:30 ]

<鹿児島城西・星陵>最後のPKを決めた平田(左手前)をめがけて歓喜のダッシュをする星稜イレブン

第93回全国高校サッカー選手権第3日・2回戦 星稜0―0(PK5―3)鹿児島城西

(1月2日 NACK)
 指揮官不在も数的不利も乗り越えた。前回大会準優勝の星稜が0―0からのPK戦の末に鹿児島城西を下し、3回戦進出。先月26日に愛知県内で乗っていた車で事故に遭い、指揮を執ることができなかった河崎監督に白星を届けた。

 前日に届いた負傷療養中の恩師のメッセージが力になった。この試合で指揮を執った教諭でコーチの木原監督代行を通じ「自分のことは心配しなくていい。自分たちのプレーをやればいい」という言葉を受け取った。夜には宿舎を訪れた同校OBの日本代表FW豊田から「監督がいない苦しい状況だけど、頑張ってください」とエールをもらった。主将のDF鈴木は「監督のためにも勝ちたかったし、どういう状況でも自分たちができるというところを見せたかった」と胸を張った。

 もう一つの試練にも勝った。後半6分、FW森山がタックルをかわした際に転倒したことがシミュレーションを取られて2度目の警告。不運な退場で10人になっても選手たちの闘志は衰えなかった。「監督がいなかったので率先して蹴る順番を決めた」と明かした鈴木を含めPK戦は5人全員が成功。蹴る方向をGKに伝えた上で決める練習をしている成果が出た。

 河崎監督が今大会中に指揮を執れるかどうかは現状では不透明。鈴木は「戻ってこられることを信じて勝ち続けたい」と力をこめた。事故の後には選手ミーティングを開き「逆に力に変えよう。自主性を出していこう」と話し合った。大きなモチベーションを胸に第一歩を踏み出した。

 ▼鹿児島城西・小久保監督 前線に球が収まらなかった。背後のスペースも突きたかったが、星稜のDFが強かった。ボールを持てる選手を育てないといけない。

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