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浦和、ロスタイム被弾で痛恨ドロー 自力V消滅も…諦めない

[ 2014年11月30日 05:30 ]

<鳥栖・浦和>後半ロスタイムに追いつかれガックリの浦和イレブンとサポーター

J1第33節 浦和1―1鳥栖

(11月29日 ベアスタ)
 首位・浦和はアウェーで鳥栖と1―1で引き分け、15節ぶりに首位から転落し、12月6日の最終節を前に自力優勝が消滅した。後半24分にMF阿部勇樹(33)がPKを決めて先制したが、終了寸前のロスタイムにCKから鳥栖のDF小林久晃(35)に今季初得点を許して追いつかれた。神戸を3―1で破った2位・G大阪に勝ち点62で並ばれ、得失点差で下回って2位に後退。G大阪はFW宇佐美貴史(22)が2得点1アシストと活躍し、9年ぶりの優勝へ、優位に立った。
【試合結果 J1順位表】

 失速の歴史は繰り返されるのか。浦和の自力優勝が消えるホイッスルが鳴ると、柏木と李はピッチに仰向けになった。槙野もその場に座り込み、肩を落とした那須や森脇、永田も動けない。前節22日のG大阪戦は終了間際に2失点して優勝を決められず、この日は長らく守ってきた首位の座を明け渡した。ペトロヴィッチ監督は「今の状況でコメントを残すのは難しい」と顔を覆った。

 最後の最後でパワープレーに屈した。後半24分に阿部のPK弾で先制。そのPKを許すファウルを犯した相手DF菊地が退場となり、10人となった鳥栖はロングボールを繰り返し空中戦に強い1メートル85の豊田に合わせてきた。対策として38分には1メートル84の永田を投入。「パワープレーに対してタフに戦っていた。パーフェクトの守備ができていた」と森脇。それでも勝利が視界に入った後半49分、混戦となった右CKの守備でフリーにした小林に頭でゴールを射抜かれた。「マークがずれて本人が一番痛感している」と槙野。悔やんでも悔やみきれない失点だった。

 第33節のアウェー鳥栖戦は過去2年連続で黒星を喫して優勝を消された、まさに“鬼門”。最近3連敗を喫していた天敵に敗れはしなかったが、2位転落の事実は浦和にとって大ダメージとなった。前半終了時のロッカールームにはG大阪が2点差で神戸に勝っている情報を知る選手もいれば知らない選手もいた。見えない焦りと重圧が選手の足並みを微妙にずらしていたのかもしれない。

 06年にリーグ初制覇を成し遂げた浦和だが、同じパターンで優勝を逃している。翌07年は首位に立ちながら最終5戦で3分け2敗で鹿島にまくられて“世紀の失速”を経験。最近2年もV戦線に加わりながら、終盤に振り落とされた。今季もここ4試合で1勝2分け1敗の足踏みだ。12月6日のホーム名古屋戦は既にチケットが完売。「1週間いい準備をするしかない。最後は勝つことが大事」とGK西川。奇跡を信じて戦うしかない。

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