×

広島土砂災害で犠牲…幼い兄弟に日本サッカー協会 代表ユニ贈る

[ 2014年9月19日 06:02 ]

亡くなった平野遥大君(右)、都翔ちゃん兄弟へ贈られた、2人の名前が入ったサッカー日本代表ユニホーム

 広島市の土砂災害で命を落とした同市安佐南区山本の平野遥大(はると)君(11)、都翔(とわ)ちゃん(2)兄弟に、日本サッカー協会は18日までに、名前入りの日本代表ユニホームを贈った。

 「HARUTO」「TOWA」と書かれた、サイズ違いの小さなサムライブルーはともに、エースナンバー「10」。2人の遺影の上に飾られた。

 小学5年の遥大君は、1年生のころから地元の「山本少年サッカークラブ」に通い、昨年は母朋美さん(37)が見守る中、初ゴールを決めた。都翔ちゃんはクラブにお迎えに行くのが日常だった。遥大君は、6月のW杯ブラジル大会も日本代表の試合を熱心にテレビ観戦していたという。

 遥大君が所属していたサッカークラブは、今月14日に地元のサッカー大会に出場。同級生をはじめとしたチームメートらは、左腕に喪章をつけて試合に臨み「天国で見ている遥大君にいいプレーを見せたい」と奮闘した。

 ユニホームを受け取った父の学さん(39)は「ありがたいが、2人が元気なら巡ってこない機会だったと思うと複雑」と話し、朋美さんは「都翔が着たら、ボールを蹴るまねをして“チュー(シュート)”とはしゃいだだろうな」と切ない笑顔を遺影に向けた。

 サッカー少年の悲報を知った大仁邦弥会長がユニホーム贈呈を決め、広島県サッカー協会幹部が17日に手渡したという。

 8月20日未明、豪雨のため自宅裏の崖が崩れ、兄弟は1階に流れ込んだ土砂で生き埋めとなった。3人兄弟で長男の遥大君と三男の都翔ちゃんが犠牲となった。

続きを表示

2014年9月19日のニュース