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浦和 元代表組で4発堅首!李忠成 復帰猛アピール

[ 2014年9月14日 05:30 ]

<清水・浦和>前半、2点目のゴールを決める浦和・李

J1第23節 浦和4―1清水

(9月13日 エコパ)
 首位を走る浦和はアウェーの清水戦に4―1と快勝した。5月6日の甲府戦以来の先発となったFW李忠成(28)が前半28分にチーム2点目を決めるなど2得点に絡む活躍。川崎Fはホームで徳島に4―0で大勝した。FW小林悠(26)が1得点2アシストの活躍を見せ、視察に訪れたハビエル・アギーレ日本代表監督(55)の前で、10月の親善試合(10日ジャマイカ戦、14日ブラジル戦)メンバー入りを猛アピールした。

 その瞬間、勝負は決まっていた。前半28分、スピードに乗った李が相手最終ラインの裏に飛び出し、DF森脇からのスルーパスを受けた。「森脇がしっかり見ていてくれた。最初から20回以上、ああいう動きをして、その1回が実った」。相手GKと1対1。落ち着いて左足を一閃(いっせん)。試合を決定づける得点がゴールに吸い込まれた。

 5月6日の甲府戦以来、ようやく巡ってきた先発の座。この1週間、練習中から動きの切れが増しており、予感はあったという。「個人としては内容よりも結果。得点することに重きを置いていた。夏が明けて体も動く。涼しくなれば、もっと動けるよ」。秋を感じさせる24・9度の気温も追い風だった。試合後、李の口からは、いかにもストライカーらしい強気な言葉が続いた。

 前半22分、森脇の1点目も李の中央突破が起点だった。ドリブルで持ち上がり、右に開いた平川へのパスが相手DF網を崩した。「裏への抜け出しもそうだけど自分の良さと言えばドリブル、クロスに詰めること、前への推進力。相手のギャップを少しずつ広げることを意識した」。前半20分まで5バックに近い清水の堅守に苦しんだが、見事に突破口となった。

 W杯出場の夢がかなわなかった失意の6月、日本代表が初戦のコートジボワール戦を迎える3日前のこと。メンバーを外れた細貝(ヘルタ)、前田(磐田)、駒野(同)、そして李の元にザッケローニ監督から代表での功績をねぎらう電話が届いたという。「彼には成長させてもらった。うれしかった」と李。しぼみかけていた日本代表への思いは倍加した。この日は3トップの左シャドーでプレー。4―3―3が基本布陣のアギーレジャパン入りへ、猛アピールとなった。

 昨年8月、同じ敵地の清水戦では4人の浦和サポーターが競技場に隣接する駐車場で警備員に対する暴行の疑いで逮捕される事件が発生。この日は“再出発”の意味を持つ大事な一戦だった。既に天皇杯、ナビスコ杯で敗退した浦和に残されたタイトルはJ1のみ。「残り11試合、自分がチームに加速するイメージを付けられれば」。次戦は20日、柏をホームに迎える。再び輝きを増してきた李の左足が、王座奪還を狙う赤い悪魔をけん引する。

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2014年9月14日のニュース