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なでしこ 高瀬の15秒弾から5発!アジア女王へ大勝仕上げ

[ 2014年9月14日 05:30 ]

<日本・ガーナ>前半、ゴールを決める高瀬

なでしこジャパン親善試合 日本5―0ガーナ

(9月13日 NDスタ)
 なでしこジャパンは13日、山形県天童市のNDソフトスタジアム山形でガーナと親善試合を行い、5―0で大勝した。試合開始わずか15秒でFW高瀬愛実(23=INAC神戸)が先制の技ありループ弾を決め、ゴールラッシュの口火を切った。開始1分での得点は女子5人目で、最短得点時間記録に並んだ。2連覇を目指す仁川アジア大会へ向け、大きく弾みを付けた。チームは14日に韓国入りし、15日に中国との同大会初戦を迎える。

 背番号10のユニホームに初めて袖を通した高瀬が、いきなり覚醒した。試合開始の笛からわずか15秒、自陣からの宮間のロングパスに反応した。「DFラインがバラバラだった。裏が取れるかなと」。ペナルティーエリア内右に走り込むと、飛び出したGKの位置を確認して右足ダイレクトでループシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれた。「ビックリしました。サッカー人生でも(15秒弾は)なかったと思う」。5―0のワンサイドに扉を開いた。

 前半18分にも川澄の左クロスをニアから右足アウトサイドでネットを揺らした。国際Aマッチ通算46試合目で自身初の複数得点。故郷・山形での凱旋白星を飾った佐々木監督も「ボールコントロール、パス、シュートの精度など課題もあったけど、クラブで主将を務めて自信を付けてきた」と成長に目を細めた。

 強い責任感が23歳の背中を押した。若手起用のため今回は招集を見送られた大黒柱の澤から、一時的に背番号10を借用。通例なら欠番にするはずが、アジア大会の規定で背番号を1から18で登録するためだった。それでも、現在のなでしこを屋台骨として支え続ける澤の背番号10をつけることに襟を正した。「自覚と責任を持ってやろうと思っていた。自分にプレッシャーをかけた中で点が取れてホッとしている」。今季から強豪INAC神戸でも主将を任され、リーグトップの17得点と量産中。「チームの結果が出ない中で何ができるか考え、点を取ることだと吹っ切れた」。秒速ゴールの裏には、明確な意識改革があった。

 アジア大会は国際マッチデーでないため、海外組のエース大儀見らが不在。初優勝した5月のアジア杯は無得点に終わっているだけに「大会の大事なところで点が取りたい」と意気込むストライカーは、確かな自信を付けて韓国に乗り込む。

 ▽最速ゴール Jリーグでは今年3月22日のJ2松本―讃岐戦で松本のMF岩上祐三が開始7秒で先制ゴール。広島のFW佐藤寿人が06年4月22日のC大阪戦で決めた8秒を上回り、“J最速弾”となった。また、FIFAによるとW杯の史上最速は02年日韓大会で、ハカン・シュクル(トルコ)が韓国との3位決定戦で記録した11秒。14年ブラジル大会では米国のデンプシーがガーナ戦でW杯史上5番目の速さとなる試合開始から29秒だった。

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