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ザックジャパン カナダに辛勝…本田不在で見えた課題と収穫

[ 2013年3月24日 06:00 ]

<日本・カナダ>前半、選手に指示を出すザッケローニ監督(中)。手前左は相手選手と交錯する岡崎

国際親善試合 日本2-1カナダ

(3月22日 ドーハ)
 日本代表は22日、W杯アジア最終予選ヨルダン戦(26日、アンマン)に向けた強化試合としてFIFAランク68位のカナダと国際親善試合を行い、2―1で辛勝。本田圭佑(26=CSKAモスクワ)を欠き、注目されたトップ下は前半が香川真司(24=マンチェスターU)、後半は中村憲剛(32=川崎F)が務めたが、それぞれ課題を残す内容。W杯切符の懸かる本番に向け、不安が浮き彫りとなった。

 試合終了と同時に、カナダのフォンセカ監督と握手を交わしたザッケローニ監督は苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべた。本田、長友の2枚看板を欠く中で、2―1と勝利したが「(香川、中村は)本田のようなストロングポイントはない。本田は他とは違うものを持っている。中盤にパワーを加え、両サイドを攻撃に専念させられる。2人に同じ役割は要求しない」。その言葉は本田不在を嘆いているようにも聞こえた。

 大黒柱の穴は予想以上に深く大きかった。指揮官が最初にトップ下を託したのは香川だ。前半9分、縦パスに抜け出し岡崎の先制弾を演出。だがその輝きはあっという間にドーハの夜空に消えてしまった。両サイドが左右に張り過ぎ、連係を欠いた。ボランチとの距離感も悪く、DFラインから直接ロングボールを受ける場面が目立った。持ち味は出せなかった。

 後半、すぐに動いた。トップ下に中村、香川は左MFに入れた。「香川がトップ下の場合、両サイドのアタッカーが守備に力を割かなければいけない。中村の場合、守備の負担は減る」と話す。直後、両サイドバックが攻撃に上がりやすくなり日本らしさも見え始めた。それでも中村が本田のように高い位置にためをつくり、全体を押し上げ、ゴールも狙うところまではできなかった。

 W杯切符の懸かるヨルダン戦まで中2日。試合後、指揮官は「決定力不足。チャンス数に比べ、ゴールが少ないのが課題。トップ下について情報収集はできた。ここで発表するつもりはないが」と厳しい表情を見せた。カナダ戦の内容を優先するなら中村の起用が有力だが、最後はヨルダンのピッチ状況、アタッカー陣の状態などを見極めての決断となる。テストは終了した。ヨルダン戦後、今度こそ本田不在を嘆くことは許されない。

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