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香川 4強弾!凍結ピッチで華麗に舞った“アイスショー”

[ 2012年2月9日 06:00 ]

キール戦、右足でクロスを入れるドルトムントの香川(左)

ドイツ杯準々決勝 ドルトムント4-0キール

(2月7日)
 ドルトムントは7日のドイツ杯準々決勝で、4部キールに4―0で快勝し、準決勝に進んだ。日本代表MF香川真司(22)はトップ下で先発。寒波の影響で凍りついたピッチも苦にせず、前半18分には右足でチーム2点目を決めるなど4強入りに貢献した。試合後は、ロンドン五輪アジア最終予選で崖っ縁に追い込まれたU―23日本代表にエールを送った。

 凍ったピッチも自らのショーのステージに変えた。前半18分、MF香川はまるでスケート靴のエッジを利かせたような鋭い動きでゴール前に飛び込むと、右クロスに右足を合わせてチーム2点目を決めた。

 「ピッチは硬くて滑る。特にサイドがやりにくかったので中央でプレーしようと意識した。きれいに決まりましたね」。スパイクのポイントも役に立たないピッチ。それでも、きっちりと仕事をこなした。1月22日のリーグ戦ハンブルガーSV戦でアシストを記録してから公式戦4戦連続で得点に絡んだ。

 ハーフタイムにはシューズを交換。試合後に「あれはトレーニングシューズです」と打ち明けた。アウトソールがゴム製のイボで覆われたシューズに履き替えた。もちろん公式戦初体験だったが、プレーの精度は変わらない。後半20分には、鋭いサイドチェンジで3点目の起点となり勝利を決定付けた。

 期する思いがあった。U―23日本代表が五輪最終予選シリア戦に敗れ、崖っ縁に立たされた。同世代の香川にとっては人ごとではない。試合をインターネットで観戦。「彼らは(Jリーグの)シーズン前だし、アウェーでは簡単に自分たちのサッカーはできない。どの世代も通る道、落ち込む必要はない。ただチームとしての意図、意思がちょっと見えてなかったかな」と振り返った。自身の招集に関しては「イメージできない」と言葉を選んだが、プレーで仲間にエールを送った。

 ザックジャパン、ドルトムントでも主力を担う香川は五輪予選に出場することは難しい。それでも、関塚ジャパンにこの男がいれば…。そう思わずにはいられないプレーだった。

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2012年2月9日のニュース