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国民栄誉賞発表!なでしこに五輪“金”支援も

[ 2011年8月3日 06:00 ]

国民栄誉賞受賞の知らせに笑顔を浮かべるINAC神戸のなでしこメンバー(左から)川澄、大野、近賀、沢、田中、高瀬、海堀

 なでしこジャパンが日本政府から“金メダル支援”を勝ち取った。政府は2日、女子W杯ドイツ大会で初優勝したなでしこジャパンに国民栄誉賞を授与することを正式に発表した。19例目の国民栄誉賞となったが、団体の受賞は初めて。18日に首相官邸で表彰式を行う。枝野幸男官房長官(47)は女子サッカーへの支援の拡充を明言し、高木義明文部科学相(65)に検討するように指示した。国からの強力なバックアップを得たなでしこが、来年のロンドン五輪でも金メダルを狙う。

【なでしこ 日程&結果 なでしこジャパンメンバー】

 団体初の国民栄誉賞は、なでしこジャパンに大きな“プレゼント”を届けた。枝野官房長官は閣僚懇談会で「女子スポーツ、とりわけ女子サッカーへの政府としての支援策の充実を検討してほしい」と高木文科相に指示した。それを受け、同文科相は会見で「みんながそれぞれの持ち場で力を発揮し、奇跡的な勝利を呼んだ」となでしこジャパンを絶賛。選手個人に対する助成金の増額を検討する方針を明らかにした。

 なでしこジャパンの選手は、JOCに申請さえすれば、サッカーくじの収益から1人当たり月額10万円のスポーツ振興基金助成金を受け取ることができる。実際、MF沢やMF宮間ら主力選手のほとんどを含む女子サッカー選手18人がこの制度を利用している。ただ、個人競技の助成金の上限は月額20万円であるのに対して、女子サッカーなど団体競技の上限は10万円。政府としては、個人競技との差額の10万円程度を追加支給し、なでしこジャパンを支援する可能性が高い。

 高木文科相はさらに、ロンドン五輪に向けて医療面などのサポート、現在年間1500万円にすぎないなでしこリーグへの助成金の増額なども検討することを明らかにした。女子サッカーは日本代表でもプロ選手は少なく、仕事をしながら競技を続けている選手がほとんど。政府の支援でプレーする環境がよくなれば、さらなる競技レベルの向上につながる。佐々木監督は「女子サッカーは環境がよくない。底辺やリーグが厳しい。そういうところに目を向けてやっていきたい」と育成年代の強化やなでしこリーグのサポートが必要なことを強調した。さらに「他の女子スポーツも厳しい。この機会でいい起爆剤になってほしい」と支援の輪が他の競技にも広がることを期待した。

 神戸市内で記者会見した主将の沢は「凄い方たちと名前を並べていただいて光栄」と喜びを口にした。そして「この先もいい成績を残せるようにみんなで頑張りたい」と9月の五輪予選、来年のロンドン五輪に向けてあらためて意気込んだ。政府の強力な支援も加わり、なでしこジャパンの“2冠”達成の準備は整った。

 ▼スポーツ振興基金助成金 各競技の日本代表、トップレベルの選手らが対象で、競技技術向上を図る活動に対して贈られる。五輪、世界選手権などの成績に基づきランク付けされ、今年4月1日時点のエリートAアスリートは計93人。女子サッカーの18人以外は全て個人競技の選手となっている。

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2011年8月3日のニュース