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アジアの流れは西へ…カタールW杯へ足固め着々

[ 2011年1月13日 16:38 ]

 サッカーのアジア杯は開催国カタールが12日に中国を2―0で破り、初勝利を挙げた。中東勢は地の利に恵まれながら出足が鈍かっただけに、周辺国のファンも含め約3万人が陣取った観客席は歓喜に揺れた。

 今大会には、中東地域のサッカー人気を盛り上げ、若年層の競技人口を増やしてレベルの底上げを図る目的がある。アラブ語圏で初戦に勝ったのはシリアだけだったが、地元カタールの勝利で軌道に乗った。ある大会組織委員会関係者は「質の高いプレー内容は多くのファンを引きつけている。それだけでも立派な成果で、手ごわい中国に勝てたのはボーナス」と喜んだ。

 アジアの流れは西に向いている。2022年ワールドカップ(W杯)はカタール開催が決定。大会前のアジア・サッカー連盟(AFC)役員選挙では日本や韓国などの東アジアからAFC選出の国際サッカー連盟(FIFA)理事が消えた。元日本代表コーチの山本昌邦氏は「これから絶対に(主要大会やW杯予選が)全部西アジアということになっていく」とみる。

 昨年のW杯に1チームも送り込めなかった中東勢も、将来への足固めは着々と進んでいる。今大会でさらに自信を深めれば、アジアの勢力図を変える大きな波が立つかもしれない。(共同)

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2011年1月13日のニュース