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ザック困った…南米選手権で欧州組招集に“壁” 

[ 2011年1月10日 06:00 ]

 日本代表が、招待出場する南米選手権(7月1~24日、アルゼンチン)で、ベストメンバーを招集できない可能性が出てきた。FIFA規定では、大陸王者を決める大会では各国協会に選手の拘束力があるが、ゲスト参加の日本には適用されないことが判明。欧州ではシーズン終了後の貴重なオフ期間となるだけに、日本人の所属する欧州各クラブが放出に難色を示すことは必至の状況となった。

 9月に始まる14年W杯ブラジル大会アジア3次予選に向けた日本代表の強化プランに狂いが生じる可能性が出てきた。関係者は「日本は南米選手権にゲストとして出場するので、FIFAの規定は適用されない。協会側に選手の拘束力はない」と説明した。1次リーグでコロンビア、ボリビア、アルゼンチンと同組となり、絶好の腕試しとなる南米選手権でベストメンバーを招集できない危機に陥った。

 Jクラブは既に全面協力を決めているが、問題は欧州組だ。欧州では7月は10~11年シーズン終了後の貴重なオフ期間。新シーズンに向けて保有選手を休ませたいクラブが、招集に難色を示す可能性は高い。07年の南米選手権ではFIFA規定で協会側に拘束力があるにもかかわらず、クラブ側の意向もありブラジルのロナウジーニョ、カカーが出場を辞退した例もある。日本協会がアジア杯で半ば強引に欧州組の選出に踏み切ったことも招集問題に影響しそうだ。

 現在、アジア杯に出場中の日本代表に欧州組は10人。ザッケローニ監督は「アジア杯と南米選手権で選手の貢献度を見極めたい。また私の考えをチームに浸透させていく作業もする」と話しており、南米選手権に欧州組を招集できなければチームづくりが遅れることは避けられない。日本協会と欧州クラブの欧州組をめぐる“綱引き”は、イタリア人指揮官の大きな頭痛の種となっている。

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2011年1月10日のニュース