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東京V 練馬区新スタジアムへ移転構想も

[ 2010年9月11日 06:00 ]

 深刻な経営難にあるJ2東京Vに、新スタジアムへの移転構想があることが10日、明らかになった。東京都練馬区が進めている「ねりま未来プロジェクト」の1つに3万人収容規模の新スタジアム建設計画があり、そこを東京Vの新しいホームスタジアムにするべく、水面下で誘致の動きがあるもの。東京Vは6月からJリーグ主導で経営再建中で、今後の成り行きが注目される。

 チーム存続が危ぶまれている東京Vに、新スタジアムへの移転構想が持ち上がっていることが明らかになった。
 練馬区が計画しているのは、国内有数の巨大遊園地「としまえん」(練馬区向山)の敷地の一部に収容3万人規模の新スタジアムを建設するもので、早ければ14年の完成が目標。関係者によると「練馬区の活性化につながる開発計画の一つがスタジアム建設」で、現在、練馬区ととしまえんを運営する西武グループが水面下で協議中。東京Vの選手や下部組織の保護者にも説明済みという。
 かつてはラモス瑠偉(現ビーチサッカー日本代表監督)、三浦知良(現J2横浜FC)ら多くの名選手を擁し、Jリーグの初代年間王者に輝くなど栄華を誇った東京Vだが、昨年から急激に経営が悪化。親会社だった日本テレビが昨年10月に撤退し、読売ユースOBたちが経営のトップに立って再建を図ってきた。
 だが“素人経営”は行き詰まり、今年6月にはJリーグ関連会社の「ジェイリーグエンタープライズ」が株式を取得。Jリーグの羽生英之事務局長(46)を社長に迎え再建の道を探ってきた。その中で受け皿として浮上してきたのが「ねりま未来プロジェクト」の一つとして新スタジアム建設を進める練馬区で、志村豊志郎区長(78)も東京Vの誘致に前向き。ホームの味の素スタジアムに年間1億5000万円(推定)の使用料がかかっている東京Vにとっても、行政主導で安価な使用料が望めるスタジアムへの移転メリットはあると言える。
 問題はまだ区議会を通っていないことと、完成まで4~5年かかること。さらに羽生社長は「ヴェルディはつぶさない」と新オーナー探しに奔走中だが、決定には至っておらず、越えるべき山はまだまだありそうだ。
 ≪としまえん≫西武グループの豊島園が運営する遊園地施設。世界初の流れるプールを導入したことでも有名で、Jリーグ開幕景気に沸いた93年には「うらやましいぞ!!Jリーグ」の新聞広告を掲載。

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2010年9月11日のニュース