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モウリーニョ、多国籍軍掌握 持たせて奪い、鋭く逆襲

[ 2010年5月23日 15:38 ]

 【インテル・ミラノ2-0バイエルン・ミュンヘン】インテル・ミラノで実に700試合目の主将サネッティが、悲願の優勝トロフィーを頭上に掲げた。過去の苦しい時期に選手たちを勇気づけてきた「あきらめるな、愛せ」の応援歌が競技場に響くと、36歳の目に涙が光った。

 ボール保持率はわずか33%だったが、これこそ真骨頂。相手に持たせながら奪いどころを逃さず、鋭くカウンターにつなげる。攻めに転じたら必要以上に加勢を待たず、誰もがぐいぐいとボールを持ち込んで勝負した。
 先制点はGKのロングキックから2本のパスで瞬く間に。2点目は、相手が前掛かりになり過ぎて手薄になった守備をミリトが個人技で崩した。
 「国際的」を意味するクラブの名称どおり、世界の好選手を集めたチーム編成を旗印とする。だが多国籍軍団はまとまらず、スターたちのエゴがぶつかった。1990年代と2000年代前半は、ともに欧州最優秀選手のマテウスやロナウドら大物を並べても欧州一は遠かった。
 4カ国語を操り、人心掌握術にたけるモウリーニョ監督は、わずか2年でその体質を変えた。スーパースターは不在でも一丸となり、相手の特長を消して勝機をつかめるチームを築き上げた。
 主要各リーグの今季覇者を次々に連破して文句なしの優勝。モウリーニョ監督は「チームがアイデンティティーを失うことはなかった。インテルとわたしの結婚が最高の幸せをもたらした」と感慨に浸った。(共同)

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2010年5月23日のニュース