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“得点源”中沢&闘莉王をデンマークが警戒

[ 2010年5月23日 06:00 ]

侍ブルーの羽織はかまを着た坂本竜馬を背にした日本代表イレブン

 デンマークのW杯専門誌「VM2010」が日本で最も警戒すべき選手としてDF中沢佑二(32)、田中マルクス闘莉王(29)のセンターバックコンビを挙げた。岡田ジャパンのツインタワーが守備面だけでなく、得点源としても脅威と見られていることが分かった。日本代表は合宿2日目の22日、埼玉県内で非公開練習を敢行。カウンターやロングボールに対する守備を練習した。

 岡田ジャパンのツインタワーが欧州の強豪国に脅威を与えていた。デンマーク国内で発行されるW杯専門誌「VM2010」は日本で警戒すべき選手として中沢、闘莉王の長身センターバックの2人を挙げた。注目されているのは1対1に強い守備だけではない。岡田ジャパンで中沢が6点、闘莉王が5点を挙げていることから大きな得点源としてもデンマークの脅威になると報じている。
 その武器を岡田監督は“封印”する意向だ。この日、W杯仕様のセットプレーについて指揮官は「韓国戦では使うつもりはない」と宣言した。詳細は明かさないが、中沢と闘莉王をターゲットとするセットプレーを隠す狙いがある。攻守にわたって岡田監督がセンターバックコンビをキーマンと考えている証拠だ。
 この日はまず守備の修正に着手した。徹底したのはカウンターとロングボールの対策だ。“仮想デンマーク”として臨んだ4月7日のセルビア戦で相手のカウンターをまともに食らって0―3と惨敗した。1次リーグで対戦するカメルーン、オランダもカウンターを得意としており、カウンター対策は最重要課題となっている。
 午前中に行った守備に関するミーティングで指揮官は、カウンターから失点を重ねた昨年9月のオランダ戦、ガーナ戦の映像で検証。守備の意識を高めるよう訴えた。攻撃に関するミーティングが25分だったが、守備のミーティングは40分に及んだ。いかに守備に固執しているかが分かる。
 午後の非公開練習でも守備陣だけを集めて「守備に関しては新しいことかな?カバリングの意識などをやった」(岡田監督)。両サイドバックのポジショニングも修正したが、やはりカギはセンターバックが握る。空中戦でロングボールを確実にはね返し、カウンターに遭った場合には的確なマークで相手の攻撃を遅らせる。センターバックの役割は大きい。
 中沢は「カバリングの判断を早くしないといけない。アジアでは(相手がボールを持った時に下がる距離が)3メートルでもいいけど、世界では危ない。守備をしないと失点するし、より慎重にやらないと。その判断や距離を決めるためにもコミュニケーションが大事」と連係と判断の重要性を強調する。ツインタワーがカウンターを封じる。それが4強入りへの必須条件となる。岡田ジャパンが課題克服へ第一歩を踏み出した。

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2010年5月23日のニュース