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楠“神”降臨!20分ハットでチームに救いの手

[ 2010年5月6日 06:00 ]

<川崎F・G大阪>後半35分、この日2得点目のゴールを決める楠神

 【川崎F4―4G大阪】川崎Fの“神様”がJ初得点を含むハットトリックを達成し、敗戦濃厚のチームを救った。3―4で迎えた後半ロスタイムの46分、MF中村が出したパスのこぼれ球に詰めたのは、途中出場で既に2得点していた大卒ルーキーのMF楠神(くすかみ)。右足でのシュートはGKにはじかれたが、再び右足で同点ゴールを決め、チームを2位に浮上させた。出場から20分間での3得点は歴代2位の早さで、まさに神懸かりの活躍。「まさか3点取れるとは」と人生初のハットに照れた。

 滋賀・野洲高3年時に05年度全国高校選手権で優勝した“セクシーフットボール”のメンバー。独特のリズムを奏でるドリブルが武器で、1学年下の乾(現C大阪)からも尊敬される。高校時代はプロから声がかからず同大へ進学したが、早くから目をつけた川崎Fが2年時にオファー。4年時に特別指定選手としてリーグ戦1試合に出場し、ドリブルが最もうまい選手と評価された。
 プロ1年目の今季は公式戦7試合に出場。流れを変える切り札として登場している。この日もFW鄭大世に代わり、1―3の後半26分から出場。ゴール前に出没してG大阪の守備を切り裂き、3分後にはこぼれ球を押し込んでJ初得点。35分にはドリブルから2点目を決めた。これがリーグ出場4試合目。「何とか追いつきたかった。ガムシャラにゴールを狙った。少ないチャンスをモノにしないと出られない」とチャンスを得るために必死だった。
 日本代表の岡田監督が視察したとあって、ロッカールームでは「代表あるぞ」「まだあきらめないと言え」などと冷やかされた。「僕は地道に頑張ります」と楠神。川崎Fの強力攻撃陣に新たなスター候補が誕生した。

 ◆楠神 順平(くすかみ・じゅんぺい)1987年(昭62)8月27日、滋賀県愛知郡生まれの22歳。5歳でカズにあこがれてサッカーを始め、野洲高3年時に全国高校選手権優勝。同大4年時の昨年8月23日、特別指定選手として山形戦でJリーグデビュー。趣味はサッカー。愛称は「クス」。1メートル70、61キロ。右利き。血液型A。

 

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2010年5月6日のニュース