×

香川 岡ちゃん御前試合で鹿島撃破弾!

[ 2010年5月6日 06:00 ]

<C大阪・鹿島>後半22分、角度のない位置から先制ゴールを決める香川(左)。中央は岩政

 C大阪のMF香川真司(21)は5日、ホーム・長居での鹿島戦の後半22分に先制ゴールを挙げて2―1の勝利に貢献。日本代表の岡田武史監督(53)が視察する中、W杯メンバー発表前最後の試合で結果を出した。

 最後のアピールチャンスで進化した姿を披露した。0―0の後半22分、香川はMF乾からの縦パスを左サイドで受けドリブルで中央へ仕掛けた。しかし、ペナルティーエリアに入った瞬間、「中は詰まっていたので瞬時に判断した」と、相手DFが前にいるのも構わず右足を振り抜いた。左45度から放たれたボールは緩やかな弧を描いてわずかなすき間を抜け、GK曽ケ端の手をかすめてゴール右隅へ吸い込まれた。
 今までならば、さらにドリブルで突っかけていた場面で、絶妙な技ありのゴール。「あんな角度で決めたことなかった。あそこで決めたら楽になるし、海外の選手は決めている。ゴールにこだわってやっていますから」。C大阪は第11節でACL出場組の広島と7月14日に対戦するため、香川にとってはこの日がW杯メンバー発表前最後の試合。しかも岡田監督が視察とあって、まさに最後のチャンスだった。前半はパスミスなど本調子には程遠く「体が重い。(J2得点王となった)去年の感じがないですね」と振り返ったが、3連覇中の王者相手に0―0の均衡を破る、今季6得点目は印象度抜群。この日2発の前田(磐田)と並び、得点ランキング日本人トップに躍り出た。
 海外移籍の夢を断念し、1月にC大阪残留を決意した。その最大の理由はチームへの愛着。「W杯を考えて残留したわけではない。出たいと思いすぎると失敗する。北京五輪の時もそれで失敗したから」。それでも、メンバー発表まであと5日となれば「やっぱりドキドキします。誰もが行きたい舞台ですから」と気持ちの高ぶりは止めようがない。
 岡田監督は本田、長谷部、松井ら欧州組にメンバー入りのお墨付きを与えており、選手層の厚いMFで選ばれるのは厳しい状況。それでも、大事な場面でゴールを決める勝負勘を持っていることは証明した。「点を取ったからといって評価が変わるわけでもない。あとは監督が決めること」。香川はわずかな可能性を信じて運命の日を待つ。

続きを表示

2010年5月6日のニュース