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岡田監督続投、新コーチ見送り…無策でW杯へ

[ 2010年2月16日 06:00 ]

犬飼会長らとの緊急会談を終え、報道陣に囲まれる日本代表の岡田武史監督(左)

 岡ちゃんと心中――。地元開催の東アジア選手権で3位に終わり、去就問題が浮上した日本代表の岡田武史監督(53)が15日、東京・本郷のJFAハウスで日本サッカー協会の犬飼基昭会長(67)、原博実強化担当・技術委員長(51)と緊急3者会談を行った。岡田監督から謝罪と説明を受けた犬飼会長は、6月のW杯南アフリカ大会まで全面支持することを伝え、日本協会の公式サイトに「岡田監督でW杯を戦う」と異例の声明を発表した。

 午後3時30分から日本協会で行われた犬飼会長、原技術委員長、岡田監督の緊急3者会談。40分間の話し合いの末に出た結論は、あくまでも岡田監督で南アフリカに行くというものだった。

 岡田監督「(犬飼)会長からはぶれることなくやってくれと言われた。ああいう試合をして申し訳ないと言ったが、会長はようやく日本人らしいサッカーをしているんだから、それを続けないといけない、このまま(代表監督を)やってくれと言われました」

 原技術委員長からの早朝の電話で協会に呼び出された岡田監督は、14日の韓国戦で1―3と完敗するなど東アジア選手権3位に終わったことを謝罪。選手のコンディションが十分でなかったことに加え、W杯を見据えてプレーするよう指示したことから「気持ちの面でこの大会を絶対に獲るんだという気持ちに(選手たちを)させられなかった。W杯につながらないといけないと言っちゃったんで。自分にもそういう意識があったかもしれない」とチームを目の前の試合に集中させられなかったことを反省した。

 犬飼会長は前夜の韓国戦後、監督解任は否定しながらも、岡田監督の事情聴取を明言。新コーチ招へいなどテコ入れについても含みを持たせた。だが、この日の会談でチームの現状と戦い方について説明を受け、「同じことを感じていて、共通の認識で安心した」と岡田監督を支持する方針を決定。日本協会のホームページでは監督交代のリスクや難しさを説明しつつ、監督を続投させると発表した。原技術委員長も「1試合負けたぐらいで信頼が揺らぐことはない。選手と監督がうまくいってないとも思っていない。岡田監督でW杯に行くことに変わりはない」ときっぱり。新コーチ招へいも見送られ、3月3日のアジア杯最終予選バーレーン戦(豊田)にも勝利や内容のノルマを課さないことを決めた。

 第2次政権最大の危機を乗り切った形の岡田監督は、すっきりとした表情で言い放った。「クビになるのが嫌で何か変えるとか全くない。この仕事を引き受けたときに覚悟はしている。このやり方を変えるというのであれば、多分(代表監督を)やらない」。目指すは岡田スタイルでのW杯4強。日本協会は監督を交代できる最後のタイミングで何も手を打たないまま、指揮官に命運を委ねることになった。

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2010年2月16日のニュース