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俊輔 超絶FK弾!09年ラストで魅せた

[ 2009年11月19日 06:00 ]

<香港・日本>後半39分、直接FKを決める中村俊輔

 日本代表は18日、アウェーで行われたアジア杯最終予選で香港代表に4―0で勝利した。2―0の後半39分には、MF中村俊輔(31=エスパニョール)が08年9月6日のW杯最終予選のアウェー・バーレーン戦以来、438日ぶりとなる直接FK弾を叩き込んで快勝を演出した。志願して香港遠征に同行した中村が、鮮やかな一撃で岡田ジャパン09年最終戦を白星で締めくくった。

【試合結果
アジア杯最終予選A組


 2枚の壁を越えて、ニアサイドに強烈な一撃を叩き込んだ。2―0の後半39分、右サイドの角度の少ない位置からの直接FK。中村は相手GKの位置、壁の枚数などを瞬時に判断してキッカーに名乗り出た。「最初はヤット(遠藤)に蹴ってもらうつもりだったけど、壁も少ないし、GKも出てたし、距離も短いから、ニアに強くて速いボールを蹴れば入ると思った」。約22メートルの距離から放たれたシュートはイメージ通りの軌道でネットを揺らした。

 日本代表でのゴールは3月28日のホーム・バーレーン戦以来、出場9試合ぶり。国際Aマッチ通算得点を24に伸ばし、高原を抜き歴代単独6位に躍り出た。現役では三浦知良(現J2横浜FC)に次ぐ2番目のゴール数となったが「別に得点したからどうこうというのはない。それよりもスローインをマイボールにするとか、細かいところの方が大事」と冷静だった。

 志願の出場だった。南アフリカから香港までの移動時間は約13時間。公式戦とはいえ相手の香港は世界ランク127位の格下であるため、岡田監督は欧州組の同行を免除するプランを持っていた。だが、中村は指揮官との面談で香港行きを直訴。所属するエスパニョールではリーグ戦の先発落ちが続くなど厳しい立場に追い込まれているが、代表でのプレーを優先した。

 試合中は常にチームのことを考えた。前半25分に左サイドの松井、駒野にポジション取りに関する指示を出し、前半39分には岡崎、大久保に歩み寄り連係面のアドバイスを送った。後半ロスタイムのPKの場面ではキッカーを岡崎に譲り「(後半15分に途中交代した大久保)嘉人がいれば、嘉人に蹴ってもらおうと思っていた。チーム全体がうまくいくように考えてね」と説明。前線からの守備で貢献しながら、再三の決定機を外していた2トップに対する配慮だった。

 試合会場の香港スタジアムは00年2月8日のカールスバーグ杯香港リーグ選抜戦で初めてA代表として試合に出場した思い出の場所。A代表としての出発点でゴールを決め、最高の形で年内最終戦を締めくくったが「W杯は別ものの大会だから、やるべきことは多い。チームに必要なもの?全部だよ、全部」と7カ月後に迫った本大会を見据えた。目標は、あくまでW杯4強。世界を驚かせる覚悟を胸に、俊輔は走り続ける。

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2009年11月19日のニュース