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森本代表1号!得意の反転から「感覚で蹴った」

[ 2009年10月15日 06:00 ]

<日本・トーゴ>前半11分、右足で代表初ゴールを決める森本貴幸(左)

 森本が決めた!日本代表は14日、トーゴと対戦し5―0で快勝した。初先発となったFW森本貴幸(21)は前半11分、DF長友佑都(23)の左クロスに反応。DFを背負いながら体を反転させるセリエA仕込みの得意の形で、国際Aマッチ出場2戦目にして初先発初ゴールを決めた。W杯メンバー入りに向けても大きなアピール弾となった。

【試合結果


 怪物が、ついにその実力の片りんを見せた。攻撃練習と化したトーゴ戦の前半11分。森本は長友の左クロスを左足でトラップ、ゴールを背にして体を反転させる得意の形に入った。1メートル94、85キロの肉塊のような相手DFアキンソラにボールに触られたが、完全にブロック。わずかに左に流し、強引に右足を振った。強さ、迫力を兼ね備えた森本の国際Aマッチ初ゴールに仙台の夜が熱くなった。

 「いいタイミングで前を向けたので感覚で蹴った。トーゴは全然強くなかったけど、点が取れて良かった」

 代表ルーキーながら何事にも動じない独特のキャラで岡田ジャパンに溶け込んだ。11日にはバスの集合時間に遅刻する大失態。ミーティングで自ら百叩きの刑を選択し、同僚の爆笑を誘った。ビッグマウスの本田ですら「あんなずぶといやつはいない」と一目置く。この大物ぶりこそが、怪物たるゆえんだ。

 屈強DFのそろうセリエAで通算12得点。ゴール前での迫力は日本人離れしていた。「一番強いと思ったのはインテルのDFコルドバ。戦うために他のFWを見て体の使い方を学んだ」。イタリア代表FWインザーギ、スウェーデン代表FWラーションら小柄でも決定力の高いFW陣のVTRを自ら編集した。相手DFをはね返しながら決めた得点シーンはそのたまものだ。

 大好きな牛肉も断ってきた。今春、血液検査を受けると、牛肉の食べ過ぎで肉離れが起きやすい体質になっていることが判明。以後、野菜中心の食生活に切り替えた。一切、妥協のない食生活が、外国人DFにも屈しない強じんなフィジカルを支えていた。

 明らかに調整不足の目立つトーゴ戦は結局、前半のみで交代。それでも、的確にクロスに詰めて相手DFを引き寄せ、岡崎の先制弾を演出するなど、ゴールのみならず岡田監督に与えたインパクトは強烈だった。「点を取ってくれ!とだけ指示したら取ってくれた。得点に絡むプレーもあった。切り札としてなら今でも十分使える」とその勝負強さに驚いた。

 エース中村との初共演も怪物を進化させた。「俊輔さんからボールの持ち方でどう動けばいいか、アドバイスされました」と森本。決定力の高さと、今後の新たな可能性を感じさせた森本の代表1号は、はるか南アフリカの地に通じている。

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2009年10月15日のニュース