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「大量虐殺」の過去はぬぐえるか…和解演出も外では投石騒ぎ

[ 2009年10月15日 08:49 ]

 アルメニアのサルキシャン大統領とトルコのギュル大統領は14日夜、トルコ西部ブルサで、サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会欧州予選の両国代表の対戦を一緒に観戦した。両大統領は試合中に何度も握手し、1915年のアルメニア人「大量虐殺」をめぐる歴史認識などで対立してきた両国の和解を演出した。

 両国は10日、国交樹立に関する合意文書に署名。しかし実際の国交樹立にはそれぞれの議会での批准が必要で、「サッカー外交」は和解ムードを高め、両国内の慎重派の抵抗を抑える狙いがあるとみられる。
 試合は2―0でトルコが勝利。トルコメディアなどによると、会場では「平和の象徴」として白いハトが放たれ、観客席から大きな拍手が上がった。一方、周辺ではアルメニア人記者団が乗ったバスに対する投石騒ぎがあったが、けが人はなかった。
 試合に先立ち、両首脳は会談。ギュル大統領は「われわれは歴史をつくっている」と和解を強調、サルキシャン大統領は「周辺の国々すべてが両国の(国交樹立への)動向を注視している」と応じた。(共同)

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2009年10月15日のニュース