×

社長交代で状況一変…フィンケ監督ノルマは3位

[ 2009年4月4日 06:00 ]

練習で指示を出す浦和のフィンケ監督。左は高原直泰、右は坪井慶介

 浦和は3日、さいたま市内で取締役会を開き、藤口光紀社長(59)の任期満了による退任と、三菱自動車常務取締役の橋本光夫氏(59)の新社長就任を決めた。24日の株主総会の承認を経て正式決定となる。橋本氏はチームの早期再建に意欲を示しており、今季から就任したフォルカー・フィンケ監督(61)はACL出場権を得るリーグ戦3位以上などの続投ノルマを課される可能性が高くなった。

 関係者の話を総合すると、藤口社長の後任である橋本氏はレッズの再建に強い意欲を示しており、フィンケ監督にノルマを課す可能性が高いという。クラブ幹部が「若手を育てるという考えがぶれることはない」と説明するように、育成重視の方針に変更はないが、それにプラスしてビッグクラブとしての最低限の順位目標が設定される見込み。来季ACLの出場権を得るリーグ戦3位以上が目安となりそうだ。

 昨季リーグ戦は終盤の失速で7位に低迷。藤口社長が残り5試合の時点で、リーグ戦3位以内と天皇杯制覇という過酷ノルマをエンゲルス監督に課して現場が混乱したこともチーム崩壊の一因となった。一方で、今回は将来的に常勝クラブの地位を確立する上での、必要最低限の目標設定となる。橋本氏は24日の株主総会後に正式就任となるため、この日は会見などの対応はなかった。だが、午後に埼玉スタジアムに隣接する事務所に足を運ぶなど、早くも次期社長として精力的に動き始めている。

 この日、チームは4日のホーム大分戦に向けて、さいたま市内で約1時間半の練習を行った。DF坪井が「(社長交代を)知らなくてびっくりした」と話すなど選手からは驚きの声も上がったが、大きな混乱はなし。FW田中達は「僕らはピッチで頑張るしかない」と前を向いた。

 退任する藤口社長からは順位争いよりも若手育成とチームスタイルの確立に力を入れることを要請されていたフィンケ監督は「私の仕事は一切変わらない。いい結果を残すように努力をするだけ。これから来る首脳陣ともいいコミュニケーションを取っていきたい」と橋本氏と積極的に対話する方針を示した。就任時にはなかった続投ノルマが設定されることで、指揮官の手腕に一層の注目が集まりそうだ。

続きを表示

2009年4月4日のニュース