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中盤完全制圧…スペイン美しき王手

[ 2008年6月28日 06:00 ]

<スペイン・ロシア>後半28分、ゴールを決めたグイサ(左)はアシストのセスク・ファブレガスに祝福される

 欧州選手権準決勝の1試合が26日に行われ、スペインがロシアに3―0と快勝し、24年ぶり3度目の決勝進出を決めた。現在大会得点王のFWダビド・ビジャ(26=バレンシア)が前半34分に負傷交代も、代わりに入ったMFセスク・ファブレガス(21=アーセナル)の2アシストなどで圧勝。29日の決勝では44年ぶりの優勝を目指し、ドイツと戦う。ロシアは今大会初の無得点で、1次リーグに続いてスペインに敗れた。

【欧州選手権


 スペインがピンチをチャンスに変えた。前半34分、FKを蹴ったビジャが右太腿を痛めて交代する緊急事態。代わりにセスク・ファブレガスを投入し、システムを4―4―2から4―5―1に変更した策が当たった。

 5人で中盤を完全に制圧すると、後半5分にイニエスタの左クロスをシャビがボレーで決めて勢いに乗った。その後も中盤の巧みなパス回しでロシアを翻ろう。アラゴネス監督は「セスクがトップ下に入り、主導権を握れた」と振り返った。

 アーセナルで活躍する背番号10のセスク・ファブレガスは大会前、シャビ、イニエスタ、シルバと「クアトロ・フゴーネス(4人の創造者)」と呼ばれ期待されていた。しかし、ビジャが絶好調で1トップから2トップに変わったため、控えに甘んじていた。ユニホームの背中に入れる名前を「CESC」からアーセナルと同じ「FABREGAS」に替え「代表でもクラブのような活躍をしたい」と巻き返しを誓っていた男は、後半28分と37分のアシストでも勝利に貢献。「きょうのような試合ができれば優勝できる」と力を込めた。

 フェネルバフチェ(トルコ)監督就任が報じられた69歳のアラゴネス監督は、後半24分にシャビとフェルナンド・トーレスを同時に交代。4分後に途中出場のグイサが追加点を決めるなど采配がさえ渡り、「40年の監督業で最高の瞬間だ」と喜びをかみしめた。チームは昨年8月に元代表DFプエルタ選手(享年22)が試合中に倒れて亡くなり、5月には約17年間、ドクターを務めたボラス氏をがんのため62歳で失った。「彼らのために優勝をささげたい」と主将のカシージャス。21戦無敗の無敵艦隊はかつてないまとまりを武器に、64年大会以来、44年ぶりの欧州制覇に挑む。

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2008年6月28日のニュース