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岡田ジャパン 敵は6万1012キロの移動

[ 2008年6月28日 06:00 ]

 岡田ジャパンのW杯への道のりは、険しいものになった。10年W杯南アフリカ大会アジア最終予選の組み合わせ抽選会が27日、マレーシアのクアラルンプールで行われ、日本はオーストラリア、バーレーン、ウズベキスタン、カタールとA組に入った。9月6日の初戦は3次予選で敗れたバーレーンとのアウェー戦で、最終戦のアウェー・オーストラリア戦までの移動距離は6万キロ超。過密日程とハードな移動が4大会連続出場を狙う日本代表の足かせとなる。

【W杯アジア最終予選
日本の予選日程


 全体の組み合わせの前に行われた予備抽選が厳しいドローに至る序章だった。06年W杯ドイツ大会の成績で決まるシード順位で、日本はサウジアラビアと4位に並んでいた。5位でポット3に入れば開幕戦と最終戦をホームで迎えられたが、抽選の結果は4位でポット2に入り、プレッシャーのかかる開幕戦、最終戦ともアウェー。しかも、終盤は12日で3試合という厳しい日程となった。

 A組のW杯出場経験国は日本とオーストラリアだけだが、移動は厳しい。東京から各国の首都までの直線距離はいずれも6000キロ以上。総移動距離は地球一周を大きく上回り、6万キロを超える。98年W杯フランス大会は最終予選のアウェー4試合に、イランとのプレーオフ(ジョホールバル)を合わせても4万816キロだった。組み合わせ抽選会に参加した日本協会の田嶋専務理事は「楽なチームはなく、選手はタフな試合をこなさなければならない。気になるのはアウェーが遠いこと」とイバラの道となることを覚悟した。

 初戦は、3次予選でも対戦したバーレーンとの“再戦”となった。3月26日の対戦では後半32分に失点し、対バーレーン戦初黒星。今月22日のホームでの対戦も終了間際のDF内田(鹿島)のゴールで1―0で勝つのがやっとだった。初戦は出場停止の大久保を欠くため、再びアウェーで敗れるようなことになればW杯出場は一気に厳しくなる。欧州選手権の解説、視察のためにオーストリア・ウィーンに滞在している岡田監督は「前回と同じ間違いを2度起こさないようにしたい」と警戒感を強めた。

 カタールも嫌な相手だ。過去の対戦成績は3分け2敗。昨年7月のアジア杯でも後半43分にFKを直接決められ、敗戦に等しい引き分けとなった。さらに、00年以降対戦がないウズベキスタン、06年ドイツ大会の1次リーグで1―3と敗れたオーストラリアも控えている。指揮官は「W杯予選に簡単な試合は1つもない」と気を引き締めた。

 それでも、岡田監督は強気だった。「チーム力から考えて、決して悪いグループではない。この予選を勝ち抜いて本大会に出場する力が十分あると信じている」。過酷な日程と難敵をクリアできるか、すべては指揮官の手腕に託されている。

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2008年6月28日のニュース