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開幕連敗でオジェック監督解任危機

[ 2008年3月16日 06:00 ]

<浦和・名古屋>後半、チャンスを生かせぬ選手たちに頭を抱える浦和・オジェック監督

 覇権奪回を目指す浦和に激震――。J1第2節の15日、ホーム開幕戦は名古屋に0―2と完敗し、悪夢の開幕2連敗。緊急会議を行ったクラブ幹部はホルガー・オジェック監督(59)を続投させる方針だが、次戦の結果次第では更迭となる危機に直面した。エースFW高原直泰(28)を前半45分で交代させる荒療治も実らず、昨年11月の清水戦から続く連続無得点もクラブタイ記録の5試合に伸びた。

 赤い悪魔が緊張状態に突入した。アジア王者の開幕2連敗。試合後、赤きサポーターから容赦ないブーイングを浴びた主将の山田は「当然だと思う」と全身で受け止めた。2枚看板の高原とエジミウソンは機能せず、高原を前半で交代させる荒療治も不発。昨年から続く5戦連続無得点はクラブワーストタイ記録だ。

 この非常事態に浦和幹部の動きも慌ただしかった。藤口社長、強化担当が2時間の緊急会議。オジェック監督の去就問題に発展した。中村修三GMは「今は(交代は)ない。監督への要求を強化部内で整理した。とりあえず次のナビスコ杯。メンバーも代わるし、内容、編成ぶりをみたい」と話した。当面は続投の方針だが、20日のナビスコ杯・神戸戦が“更迭リミット”となりそうだ。

 6年ぶりの開幕2連敗は内容も悪過ぎた。運動量、球際の勝負はほとんどの局面で負けた。後半23分には、オジェック監督が「クリスマスプレゼント」と振り返る凡ミスまで起きた。相手オフサイドの後、GK都築がリスタートのボールを蹴った先は、目の前にいた相手選手の足元。直後に周囲もあぜんの2失点目。これが、今の浦和を象徴していた。

 指揮官も無策だった。補強、練習日程も自身の希望通りに進め、言い訳の許されない就任2年目。だが、今週も練習の大半は紅白戦に費やし、攻撃の形をつくろうとしなかった。試合中の指示も「プレスをかけて前線へ飛び出せ」の一点張り。ある主力は「コミュニケーションも限られた選手しかない」と対話不足を嘆く。開幕2連敗は偶然ではなかった。

 試合後、クラブには2時間で100件以上の不満メールが届いた。ホームでの勝利を厳命した藤口社長が「例えばバーベキュー大会を開くとか、雰囲気を変えることも考えろ」と強化部に“珍指令”するほど、チームの雰囲気は沈殿している。過去、開幕3連敗して優勝した例は1度もない。浦和が土俵際に立たされた。

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2008年3月16日のニュース