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内村の“勝負曲”歌うAK TVで見守り「自然と涙があふれた」

[ 2016年8月10日 05:30 ]

今年1月に内村航平の練習場を訪れたAK―69

リオデジャネイロ五輪・体操男子団体決勝

(8月9日)
 リオデジャネイロ五輪第4日の8日(日本時間9日)、日本が獲得した2つの金メダルに列島が歓喜に沸いた。3大会ぶりに頂点に立った体操の男子団体総合。主将の内村航平(27=コナミスポーツ)が勝負の前に必ず聴くヒップホップミュージシャンのAK―69(エーケーシックスティナイン=37)は「自然と涙があふれた」と感激した。

 内村の“勝負曲”は「Flying B」。AK―69が「敵は外にはいない。常に“己との闘い”だ」というメッセージを込めたもの。まさに自身の演技を極め、チームをけん引した姿をテレビの生中継で見守ったAKは「自然と涙があふれた。誇りと勇気を胸に最後まで闘い続けた姿は激しく心を揺さぶってくれた」と喜んだ。

 AKは名古屋を拠点に活動するヒップホップ界の実力者。世間の知名度は決して高くないが、全国に根強いファンが多く、14年には日本武道館公演を成功させている。

 内村が昨秋のスポーツ番組で「勝負の前に必ず聴くアーティスト」として名前を挙げ、「放送で初めて知った」というAKの事務所関係者が内村サイドへ「あいさつがしたい」と連絡を入れた。

 初対面が実現したのは今年1月。ファンとして武道館公演にも足を運んでいた内村は「練習が休みの水曜日にライブをしてほしい」とリクエスト。2人はすぐに打ち解けた。別れ際にAKが渡したのが「Flying B」のサンプル盤。その後、内村は「“勝つ”という感じでやる気が凄く出る」とリオ入り後も聴いて、気持ちを高めた。

 AKの曲で勝負に臨むアスリートは内村だけではない。プロ野球では昨年登場曲に使ったヤクルト山田哲人(24)がトリプルスリーを達成。今年はDeNA筒香嘉智(24)が7月に日本人最多タイの月間16本塁打を放つ快進撃。関係者は「“努力しなければ夢はつかめない”ということを一貫して伝えているところがスポーツ選手に受け入れられている理由では」とみる。

 AKは内村がリオでも聴いていることについて「こんな俺なんかの曲をこの場面でも共にしてくれたかと思うと光栄極まりない」と感激。個人総合や種目別でも金メダルを狙うエースに「真の強さを世界に見せつけてやろう!」とエールを送った。

 ◆AK―69 1978年(昭53)8月28日、愛知県生まれ。03年から名古屋を拠点にインディーズで活動。今年4月に米名門ヒップホップレーベル「デフ・ジャム・レコーディングス」と契約し、メジャー第1弾「With You~10年、20年経っても~」を発売。シンガーとして歌う場合は「カラシニコフ」を名乗る。

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2016年8月10日のニュース