【有馬記念】クロノジェネシス活躍で再評価される父バゴ 種付け頭数、金額もアップ

[ 2021年12月21日 05:30 ]

04年の凱旋門賞を制したバゴ=左(AP)
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 史上初のドリームレース4連覇に挑む名牝の関係者に迫る特別連載「Genesis Pride~クロノジェネシス最後の挑戦」。第2回はクロノジェネシスの父バゴが繋養(けいよう)されている日本軽種馬協会静内種馬場の遊佐繁基場長(51)に、バゴの特徴や現在の様子などを聞いた。

 クロノジェネシスの活躍により、その父バゴが再評価されつつある。04年凱旋門賞、パリ大賞典などG1を5勝したバゴは、引退後は日本で種牡馬入り。産駒には国内外での活躍が期待された。初年度産駒のビッグウィークがいきなり菊花賞を制すなど好スタート。だが、その後は目立った大物は現れず、12年度から18年度までは種付け頭数は60頭以下と産駒の数も多くはなかった。が、新星のごとく現れたのがクロノジェネシスだった。

 バゴの繋養先の日本軽種馬協会静内種馬場の遊佐繁基場長は、クロノの活躍を喜ぶ1人。「産駒には国内は当然、将来的には海外で活躍する馬が出てほしいと思っていました。以前から言っていたバゴの産駒で凱旋門賞を勝つということが、やっと現実に近づいたのかなと。おかげで種付け頭数も増えました。クロノジェネシスの活躍で父の評価が高まって、うれしいです」と目を細める。クロノがデビューした翌年の19年から3年連続で種付け頭数は100頭超え。種付け料も今年は昨年の50万から100万円(受胎確認後)にアップした。今年はステラヴェローチェが神戸新聞杯を制し、後継種牡馬候補も現れた。

 現在、20歳のバゴは元気に暮らしている。「昔から変わらず元気ですね。やんちゃな中学生みたいな感じです。大人になるのかな?という感じ(笑い)」と同場長。しかし、仕事になればしっかり者の一面が出る。「種馬場には9頭の種牡馬がいますが、種付けはバゴは一番安心して見ていられます。安定性があります」と語る。産駒は力のいる馬場や道悪での好走が目立つ。産駒の特徴について「バゴ自身バランスが良くて柔軟性があり、パワーも兼ね備えている。産駒も重馬場が得意で、柔軟性がありますよね。セリに出てくるバゴ産駒は評判が高いですね。みんなバランスが取れているし、評価が高い」と話す。出世頭のクロノもそのDNAをしっかり受け継いでおり、「見た目も奇麗な馬でその辺も受け継いでいるのかなと思いますし、パワーもありますし切れ味も似ていると思います」とうなずく。

 バゴ産駒の“最高傑作”はついにラストランを迎える。遊佐場長は「いつも種牡馬の産駒はテレビで見ています。最後も無事に走って、できれば勝って有終の美で終わってほしいですね」とエールを送った。

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